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川崎徹さんが
タモリさんのことを
早稲田のジャズ研の時代から有名だった、
と言っていましたよ。
「森田さんは、スゴかった」って。 |
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いや、スゴくない、スゴくない。
ふりをしていただけ。
川崎のことは、ぼくも知っていましたよ。
軽音楽のクラブの中で
川崎は、ハワイアンのマネージャーをしてて‥‥
ものすごくはたらくヤツだった。 |
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ただ、
幹事長とかは選挙で選ばれるんですけど、
マネージャーだけは、
前のマネージャーが指名するんですよ。
マネージャーになりたいヤツでも、
指名されないかぎりは、ならない。
川崎は、歌とか演奏よりも
マネージャーになりたくて
ほんとによくはたらいたんです。
軽音楽のクラブをやってるヤツらが
みんな、感心するぐらいに。 |
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うん。
だけど、前のマネージャーに意地悪されて、
マネージャーにはなれなくて‥‥。
そのとき、軽音楽のクラブのみんなで、
川崎を、なぐさめたんですよ。 |
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当時、マネージャーは
興行師みたいなものだったんですか。 |
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まぁ、そうですね。
夏は2か月、冬は1か月、
全国を興行してまわるんですよ。
けっこう、お客さんがはいった。
福岡なら、九電体育館でやっていたからね。
大都市のホールや、地方の市民会館の
仕事をとってスケジュールをいれていくのが
マネージャーのやることなんです。
早稲田の軽音楽のクラブは
5バンドあったんですけど、
5バンドぜんぶをやるところは、
大都会しかないんです。
東京、福岡、名古屋、大阪、仙台……
ぐらいまでだったかなぁ。
あとは、せいぜい3バンド、
もっと地方のほうにいくと2バンドで、
どのバンドがハズれるのか……
すぐハズれるのが、タンゴのバンドなんですよ。 |
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そりゃ、ハズれますわね……地味だもん。
地方でもかならず呼ばれるのが、
フルバンドのオーケストラのバンド。
これはかならずですね。
それから、その対極にある
川崎のいたハワイアンのバンド。
このふたつは、はいるのが、確実なんです。
3バンドが呼ばれた
あとひとつの席に、われわれのモダンジャズと、
ニューオリンズジャズと、
タンゴがひしめきあう……
まぁ、事実上、タンゴはハズれていますから。 |
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そこでジャズバンドふたつが競いあうという、
これはマネージャーの腕の見せどころなんです。 |
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タモリさんは、
そういうなかでマネージャーをやっていたんだ。 |
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うん。
各地の興行は
稲門会(早稲田大学の卒業生の団体)が
しきるんです。
だから、春ごろから全国各地の稲門会に
連絡をいれて「どうですか」なんて言いながら
あらわれて顔つなぎして、何回かでかけたら
「ちょっと、飲みませんか」
なんてやるのが、われわれマネージャーでした。
接待費、ありましたから。 |
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次回に、続きます |