ほぼ日の学校長、河野です。
今回は私の番になっているのですが、
3回にわたってたらればさんに書いていただき、
この上、付け加えることは特にありません。
いわゆる蛇足というやつになりそうで‥‥。
行き届いた特別講義の趣意説明、
ゲストの山本淳子さんの紹介で、
もうじゅうぶんだろうと思います。
あえて他に書くことを探すとすれば、
映画プログラムなどでよく見かける
プロダクション・ノートのようなものでしょうか。
たらればさんとはじめて会った日のこと。
『源氏物語』や『枕草子』を熱っぽく語る
ハンドルネーム「たられば」さんのツイッターが
おもしろい、と誰から教えられるでもなく知ったのは、
いつだったでしょう?
気がつくと、いつの間にか
読むのが習慣になっていました。
糸井さんもそうみたいです。
(しばしばリツイートしていました)
ちょうど「ほぼ日の学校」の準備を
進めている時期とも重なっており、
いずれ接点が生まれるだろう、という予感はありました。
それが、思いがけず、予想よりも
ずいぶん早く実現したのが今回です。
糸井さんが連絡先を調べてくれました。
ご本人のプロフィールを知っておどろきました。
たらればさん自身は存じ上げないものの、
周辺の人たちとけっこう密な関係だったのです。
即刻、ご連絡しました。
すぐに糸井さん、私、たらればさんの
3人で会うことになりました。
そして、今回の企画がまとまりました。
たらればさんが熱く紹介してくださっている
山本淳子さんには、
いずれ「ほぼ日の学校」で
『源氏物語』か『枕草子』をやるときには、
お力をお借りしたいとお願いしていました。
3人で会ったとき、
山本淳子さんをイベントの特別ゲストに
お招きしてはどうでしょう、と提案しました。
即座に、たらればさんがおっしゃいました。
「私にとって山本先生は、
大谷翔平選手よりも会いたい人です」
野球に詳しくない方のために解説しますと、
大谷翔平選手というのは、
米大リーグ・ロサンゼルス・エンゼルスに所属する
プロ野球のスーパースターです。
24歳の好青年。
北海道日本ハムファイターズで活躍した後、
エンゼルスに移籍し、投手と打者の両立をめざす
“二刀流”選手として、米メディアでも注目されています。
めちゃくちゃすごい人気の選手です。
ともかく、それぐらい、
たらればさんは舞い上がってしまいました。
「私にとって山本先生は、
大谷翔平選手よりも会いたい人です」
これには私も感激しました。
この名セリフが象徴的です。
ことほどさように、
たらればさんは『源氏物語』を、『枕草子』を、
はたまたその研究者である山本淳子さんを、
ことほぐことが全身の喜びであるような書き手です。
SNS界の祝福ライターです。
熱く、おもしろく、はてしなく
『枕草子』を語る。
このご時世に、日本中で、おそらくたらればさんほど、
『枕草子』を、『源氏物語』を、
熱く、おもしろく、はてしなく、
ライブで語れる人は思い浮かびません。
稀有な、貴重なタレントです。
サンキュータツオさんが辞書でくるなら、
たらればさんは平安女流文学芸人として
最強の人物であることは間違いありません。
さて、スペシャル・ゲストとして
お迎えする山本淳子さんのこと。
たまたま今年の京都・祇園祭の宵、
知人の家でご一緒しました。
たらればさんの「大谷翔平」発言をお伝えしました。
「光栄です」と恐縮されました。
初めてお会いしたのは、
『源氏物語―一条天皇と后たちのものがたり』で
2007年サントリー学芸賞(芸術・文学部門)を
受賞なさったとき。
そのあと、仕事でなかなか
ご一緒するチャンスはなかったのですが、
「いつかは」と心ひそかに願っていました。
今回は千載一遇のチャンスです。
京都からわざわざお越しいただく山本さんを、
たらればさんは緊張と興奮の色を隠そうともせず、
お迎えするでしょう。
額に汗を浮かべながら、
ドキドキ待ち受けているその表情が目に浮かびます。
どんなお話が聞けるか、みなさん、どうぞお楽しみに。
(おわります。
つづきは10月29日のイベントを
どうぞおたのしみに!)
2018-09-12-WED