秋山 |
スタイリストって、
センスだけではダメですよね。
人間味がないと。 |
伊賀 |
そうですね。 |
秋山 |
人との空気感のとりかたとか。
まあ、僕らの仕事もわりとそうなんですが、
そのへんが、かんじよくないと
まわっていかないですよね。 |
糸井 |
そういう空気感って
どうやってつくれるのかな? |
秋山 |
やっぱり幹事をやるかやらないか、かな(笑)?
「幹事」が集まったりするぐらいのほうが
仕事はうまくいく気がする。 |
伊賀 |
そういう人が集まっちゃいますよね。
「誰がやってもおんなじ」っていう
状況になっていく。 |
秋山 |
小学校のときに、
クラスでいちばん頭がよかったわけじゃないのに
学級委員やってるようなかんじの人たちが。 |
糸井 |
うん。横をみない人とか、
任せておけないタイプの人とかが、
そういうふうになってく。
岡本太郎さんもそういうタイプなんですよね。
‥‥ねぇ、
岡本太郎のTシャツを
つくってみたくない? |
伊賀 |
つくってみたいっすね。
マジっすか!?
うわぁ‥‥!!! |
糸井 |
マジで。 |
秋山 |
最高ですね。 |
糸井 |
きっと、この
「なんだ、これは!」のコンテンツを
読んだ人たちも
「岡本太郎」を身に付けて
外に出たいと思うに違いないんだ。
Tシャツを
どうやってつくるかも
どう使うかもわかんないけど、
よし、決めた! つくろう!
伊賀くんは、忙しいけど‥‥
大丈夫ね? |
伊賀 |
いや、僕は‥‥なんか、
こういうことやるために生きている
ようなもんなんで。 |
秋山 |
何枚くらいつくるイメージかな?
あの‥‥ぜんぶが違うっていうことは
できないですかね?
めんどうくさいかな。 |
伊賀 |
岡本太郎さんですからね、
一枚一枚違うのもいいですね。 |
糸井 |
ねぇ、古着にリプリントするってどう? |
伊賀 |
あ! それもいいですね。 |
糸井 |
もともと模様があるのに、
上にドーンと載せちゃう。 |
秋山 |
太郎っぽいね。 |
伊賀 |
それこそ「自分だけ」みたいな。 |
秋山 |
300枚くらいかな。
そのくらいだったら、できるかもしれないね。 |
糸井 |
アッキィ、そのオリジナルの、
織りネーム、デザインしない? |
秋山 |
いいですよ。 |
糸井 |
敏子さんに言わなくちゃ。これはいいわ。 |
伊賀 |
なんか俺、これまでまじめにやってて
よかったと思いました。 |
糸井 |
ほんとに? |
伊賀 |
まあ、ふまじめそうに
みえるとは思いますが(笑)、
写真集つくってるときも、
スタイリングの仕事をしているときも、
ほかの人たちになんて言われても、
「自分がかっこいいと思ったものは
通さないといけない」
と、つねにまじめに思ってて。
それが実った気がします。
ほんとに、ありがとうございます。 |
糸井 |
いや、こちらこそ。
よかった、よかった。 |
伊賀 |
ものすごいうれしいです。 |
糸井 |
じゃあ、シャツをつくって、
みんなにばらまこう、
太郎の遺伝子を。 |
伊賀 |
よっし! |
糸井 |
岡本太郎って、すごいな。
ほんとに遺伝子残してるな。
俺だって巻き込まれてるもんなぁ。
不思議だなぁ。 |
秋山 |
亡くなって、もう8年。 |
糸井 |
そういう人になりたいもんだね。
ねぇ、なかなかなれないよ。
|