第26回 熱心に目玉焼きを語る。後編。
糸井 黄身がかたいときの目玉焼きは
どうするかというとね。
うん。
糸井 まず、そのかための黄身を、
部分的に、ちょっと外すわけ、白身から。
ほう、ほう。
糸井 で、外した黄身を、
こう、白身で巻いていくようにして食べる。
いろいろやるねぇ(笑)。
糸井 で、かけるとしたら、しょうゆ。
ちなみに、あなたは?
しょうゆ。
糸井 あ、しょうゆ。
しょうゆがなきゃ、ソースでもいいよ。
糸井 でも、どっちかといえば、
しょうゆがいいわけね。
ああ、うん、ま、そうですね、
しょうゆでいいです。
糸井 いや、しょうゆ「が」いいんですよね。
え?
糸井 しょうゆ「で」いいんじゃなくて、
しょうゆ「が」いいんでしょ?
あいかわらず、真剣だね、そういうとこ。
糸井 しょうゆ「が」?
はい、しょうゆ「が」いいです!
糸井 よろしい。
で、目玉焼きの話に戻るけどね。
あ、まだ続きが。
糸井 あるさ! むしろここからだよ。
あいかわらず、真剣だね。
糸井 かたい黄身を外して、
白身で巻いて食べると言ったけど、
そこで食べる黄身は一部分だからね、
ちょっとの白身にくっついた状態の
黄身も残っているわけだよ。
それをどうするか。
糸井 乗せる。
残り少なくなってきた
ご飯の上にそのまま乗せる。
で、真ん中のあたりに
ちょいと穴をあけて、崩して、
そこにおしょうゆを落とす。
出てるね、結論が。
糸井 そのようにすると、
かたまってるような、崩れてるような、
なんともいえない半端な黄身がご飯と混ざり、
卵かけご飯の特別版ができる。
はははははは、うん。
糸井 それをね、まぁ、だいたいうちには
いい海苔が常備してありますから、
海苔で巻いたり、巻かなかったりしながら、
いただくと、目玉焼きの日ならではの
特別な卵かけご飯のような
なんともいえないおいしいものができる。
うーん、まいった。
糸井 まいっただろう?
ひとつ、言っていいかな。
糸井 なに?
とにかく、
糸井さんは工夫するよね。食べ物に。
糸井 恥ずかしながら、それがオレさ。
むかーし、中国に旅行したときなんかも、
毎日、毎食、新提案があったもんな。
糸井 はははははは。
しかも、ものすごくたのしそうなんだよ、
食べてるときにさ。
糸井 (笑)
(おなか減ってきた‥‥。つづきます)


2010-07-25-SUN