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糸井 |
目玉焼きって
どういう手順で食べてる? |
南 |
目玉焼き。 |
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糸井 |
うん。目玉焼き。 |
南 |
そうだねぇ‥‥。
むかし、伊丹(十三)さんが、
なんかの番組で目玉焼きを食べながら、
目玉焼きの食べ方についての
解説を求められてたことがあったね。 |
糸井 |
ほう。 |
南 |
こう、実際、目玉焼きを食べながら、
「目玉焼きの正しい食べ方については
さまざまな説がありまして‥‥」
とか言うの。 |
糸井 |
うん。 |
南 |
「白身だけをこんなふうに
切りとって食べてって
黄身を最後までとっとくなんていうのは
ちょっといじましいし、
かといっていきなり黄身からってのも
なんかアレです」って言いながら
白身、食べてんですよ。
「じゃ、どうするんです?」
って訊かれるじゃない?
「つまり、こんなふうにアレコレ言いながら
残った黄身を、スキをみて
パクッといくんです」って言ってた。 |
糸井 |
ははははは。 |
南 |
オレの場合、正しい食べ方とか
訊かれないと思うから、
同じようなことを黙って行うね。 |
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糸井 |
つまり、白身から食べていって、最後に黄身を。 |
南 |
ただ、この手順で困るのは、
半熟だと面倒なことになる。 |
糸井 |
半熟でしょう、目玉焼きは。
こう、とろーんとした。 |
南 |
うまいよね。
でも、その「とろーん」を最後に残しとくと
いざってときに、皿じゅうがぜんぶ、
「とろーん」になっちゃうんだ。 |
糸井 |
そうなるね(笑)。 |
南 |
だから、最後のほうは
皿中の「とろーん」を、
片づけながら食べるみたいな感じ。
掃除‥‥みたいなことになる。 |
糸井 |
あ、じゃあ、
オレのやり方をまねしてもいいよ。 |
南 |
え? |
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糸井 |
基本的には、伸坊と同じように
黄身を残す感じで食べていくんだけど、
そのときに白身を適度な大きさにして
ちょっと残しておくわけ。
で、「とろーん」が弾けたときに
それを使って、こう、ぬぐいながら食べていく。 |
南 |
「ぬぐいながら」(笑)。
あはは、アイディアだね。 |
糸井 |
いいだろう?
最後はお皿もキレイになるし、
なにより、美味しいしさ。 |
南 |
いいかもね。
それ、正しいと言って
主張してもいいかもしれないね。 |
糸井 |
でもオレ、
正しくなくてもかまわないんだよ。 |
一同 |
(笑) |
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南 |
はははははは、そうか。
正しくなくても、いいのか。
そうか、そうか。 |
糸井 |
うん。そう食べるといいぞって
自分で思って食べてるだけだからさ。
だから、まぁ、目玉焼きの食べ方としては、
おおむね、白身を黄身で味つけて味わう。
そういうタイプです。 |
南 |
いいじゃないですか。
なかなか、すばらしい段取りですよ。
お皿も汚れないし。 |
糸井 |
まったく汚れませんね。
汚れないどころか、黄身の上のほうの、
「とろーん」と液体状になってるところは、
もう、だいたい、
白身の味つけにつかっちゃいますから。
もう、汚れようがありませんよ。 |
南 |
つまり、お皿が「とろーん」で
だらだらになっちゃうのは
おまえがいけない、と。 |
糸井 |
いやいや、いけなくはないですけど。 |
南 |
でも、「とろーん」としたなら、
白身でこう、ぬぐえばいいじゃないかと。
白身で取りゃいいじゃん! と。 |
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一同 |
(笑) |
糸井 |
まぁ、上からの言い方をすれば、
そうなりがちですけどね。 |
南 |
いや、いい話を聞いちゃったよ。 |
糸井 |
ってのが、半熟の目玉焼きのときの話でね。
黄身がかたいときの目玉焼きの話もあるんだけど。 |
南 |
‥‥‥‥聞きましょう。 |
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(目玉焼きの話がつづくなんて‥‥つづく) |