イラストレーター・福田利之さんが
すべての製品のデザインを手がけている、
テキスタイルや布プロダクトのブランドが
「十布」です。「テンプ」と読みます。
「十の布」とあるように、
発表されるプロダクトには数字がふられています。
tenp01からはじまって
tenp02、tenp03‥‥とつづき
このたびTOBICHI2で開催する「つつむ展」では
新作のtenp06が発表されます。
福田さんとディレクターの滝口さんに
「十布」のこれまでを
ゼロから教えてください、とお願いしたのが
今回のインタビューです。
デザインも、かたちも、国もさまざまな
6つのシリーズの布たち。
そこに共通する思いは「生活」でした。
全7回の連載です。
おふたりのプロフィール
インドのブロックプリント
- ほぼ日
- 次のシリーズは、インドですね。
- 滝口
- はい。tenp05はインドのブロックプリント。
木版です。
- 福田
- 最初に滝口さんから提案があってから、
実現まで2年くらいかかりました。
- ほぼ日
- 工房もインドにあるんですよね。
- 滝口
- はい。ブロックプリントの産地として有名な
バローダという都市にある工房でつくられています。
木版にインクをつけては
スタンプのように布に押し付けて‥‥
動画があるので、それがわかりやすいと思います。
- ほぼ日
- はあーー。すごい。
トンって叩くようにして、一発で決めていく。
- 滝口
- 職人さんの手作業なので、
ちょっと滲んだりしてたり、ずれてても
それが味になりますよね。
このあたりとか少しだけ‥‥。
- ほぼ日
- ほんとうだ。
ただ全体で見ると、ものすごく精確でびっくりします。
- 滝口
- 価値がわかりますよね。
- ほぼ日
- よくわかります。
- 滝口
- 叩いてプリントするこの作業の前にも、
いろいろ難所があったんです。
デザインを描いたはいいけど
「この絵はブロックプリントには向かない」と
インドの職人さんから指摘されたり。
福田さん、デザインを描き直しましたよね。
- 福田
- 直しました。
- 滝口
- 大きな木版はNGだったりするんです。
ひとりでプリントできるサイズに限界があるので。
大きな絵をつくりたいときは
ちいさなブロックを組み合わせないといけない。
- 福田
- あと、規則的に繰り返ししていく模様が好ましい
と言われました。
- 滝口
- 実際のブロックは、こういうものなんです。
- ほぼ日
- これはすごい‥‥。
型そのものも、すてきです。
彫る人と、押す人は別なんですか?
- 滝口
- そうですね。
スタンプを押す職人さんとは別に
ブロックを彫る職人さんがいます。
どちらも職人技ですよね。
- 福田
- 色も、現地で打ち合わせをして
実際に押してもらうところを見ながら
その場で決めました。
- 滝口
- 一度に押せるのは1色です。
色ごとに版があって重ねて押していくので、
たとえばひとつが5色で構成されている
さっきの猫のデザインだと、
職人さんは布の長さの分、
はしからはしまでを5往復します。
- ほぼ日
- たいへんな手間がかかっている‥‥。
こうやってうかがっていると
tenp05は、福田さんの絵であり
職人さんの技でありっていう、
01と02が混ざっているような感じがします。
- 福田
- うんうん、そうですね。
僕もそう思います。
▲こちらの大判のストールはイベント限定の商品です。
TOBICHIでも販売をおこなっています。