糸井 |
(部屋の入口から)
‥‥おーい(笑)。 |
湯村 |
(部屋の奥から)
‥‥元気ね(笑)。 |
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湯村 |
(すこしずつ近づいて)
オレ、わかる?
オレは糸井をいろんなところで
見てるからわかるけどさ。 |
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糸井 |
(ずいぶん近くで)
いや、わかるよー。 |
湯村 |
(かなり近くで)
そう? |
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糸井 |
わかるよー、テリーだ(笑)。
ピタリですよ。
(握手) |
湯村 |
(握手)
いやー(笑)。 |
糸井 |
はははははは。 |
湯村 |
恥ずかしいな(笑)。 |
糸井 |
オレも恥ずかしい(笑)。 |
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湯村 |
30年ぶりだからね。 |
糸井 |
そうだよ。
誰かのお葬式のときに
ちょっとだけ、会ったんですよね。 |
湯村 |
そうだったか。 |
糸井 |
でも、ちゃんと会うのは、
そうか、30年ぶり! |
湯村 |
いつの間にか。 |
糸井 |
そうそう、じつは、ちょっと前にね、
来たんだよ、この事務所の前まで。 |
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湯村 |
寄ればいいのに。 |
糸井 |
それが、寄れなかったんだよ(笑)。 |
湯村 |
なんで(笑)。 |
糸井 |
いやー、あのね、この近所に、
ときどき来る鍼灸院があるんですよ。
で、何回か来てて、その都度、
どうしようかなぁ、湯村さんち近いから
寄ってみようかなぁ、って思ってたの。
それで、一回、とうとうこの前まで来て、
でも日曜日だったんで、いないかなと思って、
ひとまず電話しようと思って‥‥
でも‥‥できなかった(笑)。 |
湯村 |
そのとき電話あったら、
ちょっとドキドキする(笑)。 |
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糸井 |
困りますよね。 |
湯村 |
どうしようか、みたいな。
パンツすぐ穿かないと、みたいな。 |
糸井 |
ハハハハハハ、この感じ(笑)。 |
湯村 |
新しいパンツないか、みたいな。 |
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糸井 |
けっきょく、うろうろして帰ったんだけど、
たぶん、近所の人は、
「あやしい人がいるぞ」って
思ったんじゃないかなぁ(笑)。 |
湯村 |
オレもさ、糸井が来るって聞いてさ、
もちろんうれしいんだけどさ、
「‥‥糸井が来るのかぁ」って思いはじめてさ。
それが、もう、だんだん、
「‥‥糸井が来る‥‥糸井が来るぞぉ」
みたいになってきちゃって。 |
糸井 |
(笑) |
湯村 |
昨日あたりはさぁ、もう、
「明日、来るんだぁ」みたいになって。
なーんか、目が冴えちゃって。
糸井の夢まで見ちゃったりして。 |
糸井 |
うわー、申し訳ない(笑)。 |
湯村 |
どうしてくれるんだい? |
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糸井 |
いやー。 |
湯村 |
ちょっと、まだ、恥ずかしいな(笑)。 |
糸井 |
ほんとですよね(笑)。
慣れるまで時間が、うーん‥‥。 |
湯村 |
ほら、オレ、人見知りだからさ。
精一杯こうやってるんだけど。 |
糸井 |
いや、ぼくも、
人見知りの人と会うときには、
うつっちゃいますよ、人見知りが。 |
湯村 |
だって、会ってたのって‥‥
二十代のころだからね。 |
糸井 |
いやー、恥ずかしい(笑)。
いちいち恥ずかしいですよ(笑)。 |
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湯村 |
恥ずかしいってことばを
つねに入れておかないと。 |
糸井 |
ほんとね。
一行ごとに、いちいち恥ずかしい。 |
湯村 |
まいったね(笑)。
どうしよう。 |
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糸井 |
そうですね‥‥まず‥‥座りましょうか。 |
湯村 |
おおぅ、座ろう。 |
糸井 |
どこに座ればいいんですか。 |
湯村 |
糸井が主役だから、そこで。 |
糸井 |
主役じゃないですよ。 |
湯村 |
オレはここで、いいの。 |
糸井 |
はい、わかりました。 |
湯村 |
いやー。 |
糸井 |
いやー。 |
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2011-03-30-WED |