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『キッパリ!』は、
「ほぼ日」の乗組員は、みんな、
印象深い箇所がちがうんですよ。 |
トメ |
そうでしょ。
幻冬舎の見城社長がこの本の内容を
気に入ってくださったんですけれども、
新聞に広告を打つときに、
私と担当の編集が
このなかでおすすめの20項目を出したら、
「ちがうだろ!!!」
と言われました。
だから、社長みずから広告用に、
20項目を挙げたんですよ。
それを見るとすっごい可笑しくて。
「気乗りしない誘いはその場でことわる」
とか
「アイメイクはちゃんとする」
とかね! |
── |
おっと、そこですか。 |
トメ |
選ばせるとその人の内面が。 |
── |
出ますねえ。
人それぞれ、心の穴はちがいますね。
書店に出ているPOPでも
「あれ? これなの?
もっとグッとくることが
書いてあるのに、なんでこれを?」
と思ったりします。 |
トメ |
あの項目はね、きっと、
POPを作ってくださった営業の女性がね、 |
── |
グッときたんでしょうねえ! |
トメ |
ハハハハ! |
── |
最新著書の『しろのあお』は、
小学生についてのお話ですが。 |
トメ |
これは、モデルが最初は息子だったけど
ほぼフィクションなんです。
漫画とエッセイの構成。
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── |
主人公のあお君たちの生活が
とりあえず窓口になっているんですが、
これもまたすごい本ですね。 |
トメ |
学校生活の1年を
なぞらえた形をとっています。
ほんと、勉強したわ。
ねえ、お子さんをもってから
涙もろくなりません?
私は自分で書いてて、すっごい泣いたんです。
ばかやろ? 自分で書いたマンガで。 |
── |
いや、気持ち、わかります。 |
トメ |
ほんとに、バカだと思った。
でも泣けて泣けてしょうがなかった。
子どもって琴線に触れるようなことを
ときどき言うんですよ。
息子はプロ野球選手をめざしているんですが
「俺ぜったいプロ野球行ったら
とーちゃんとかーちゃんを
レストランでごちそうする」
なんて言っちゃって。
「かーちゃん、俺が大きくなって
家を出るとき、泣くよな。
俺は、絶対泣くから」 |
── |
おいおい(泣)! |
トメ |
娘も、たぶん学校でやったんだと思うんだけど
「かーちゃんいつも
いそがしいのにありがとう」
という文字の入ったアームカバーを
くれたんです。
私に内緒でせっせとやってたと思うと
もうぼろぼろ。かーちゃんは。 |
── |
『しろのあお』のように、
子どもをとおしてわかることがあるのは、
なぜでしょうか。 |
トメ |
やっぱり、子どもには、
バカな素直さがあるから。
なんでも根底から新鮮に見て
学んでいくでしょう。
大人も見習うべきですね。 |
── |
でも、大人がそうなるには、
子どもと同じようでいてちがいますね。
素直さとバカさを、もういちど
勝ち取らなければならないです。 |
トメ |
「勝ち取った素直さ」ね!
そうだね! よし。 |
── |
若いころは人でなしで
おもいっきり武装して。 |
トメ |
そうだよ。
歩くたびにガシャコン、ガシャコン言ってた。
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── |
おもいっきり武装したものを、
今度は、おもいっきり解除。 |
トメ |
子どもやお年寄りが近くにいると特に、
そのあたりのことがわかるのは、
「武装していないお手本」がいつも
目の前にいるからかもしれないですね。 |
── |
『しろのあお』もめでたく発売されて、
いまはホッとされている時期だと
思うんですが。 |
トメ |
『しろのあお』校了2日後に
エアロビクス3時間耐久という
とんでもない大会があって、
私はそれに出場したんです。 |
── |
‥‥白目むいて倒れませんでした? |
トメ |
大丈夫でした。
第1次の予選を突破したんだよ。 |
── |
すごい。
しつこいですが、
なんで、そんなにパワーが出るんですか。 |
トメ |
3年連続出場したのに
今年出なかったら悔しいから。 |
── |
そのあとの悔しい自分を想像できるんですか? |
トメ |
はい。あきらめちゃった自分は嫌いなんです。
「這ってでも行くわよ!」という気分になる。 |
── |
それを無茶と呼ぶかチャレンジと呼ぶか‥‥。
でも、「そのあとの自分がすごく嫌いだ」
という先読みについては
最近わかるようになってきました。 |
トメ |
それは自分を
とことん嫌いになった経験があるからだよね?
私も自分をとても嫌いだったから、
そうなることは、もういやなんです。
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── |
その調子じゃあ、この先トメさんは
落ち着くことはないですね。 |
トメ |
忙しくて、本も映画もなかなか見られない。
年末からすっごいバタバタしててね、
だいたい、これから年賀状を書くんですよ。
これからおせち料理も食ってやる! |
── |
食ってください、食ってください。 |
トメ |
いまはまだ、
12月18日くらいの意識です。 |
── |
へははは! すごいや。
ああ、もう飛行機の時間がやってきました。
トメさん、また来ますね。
おいしいお魚を食べに。 |
トメ |
はい。キーウィ寿司を食べに。 |
── |
では! |
トメ |
では!! |