バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「ママンの味・リオレは
日本人ならびっくり?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「ママンの味・リオレは
日本人ならびっくり?!」

バブー

「クレームブリュレ」
「フォンダンショコラ」
「タルトタタン」‥‥etc
などと並ぶ
フランスのお馴染みのデザート。

カフェやビストロなどでも
もちろんメニューに載っているけれど、
お母さんとかおばあちゃんとかが作る
各家庭の味もあったりして。

いわゆる「ママンの味」という時に
挙がるような、
フランス人が小さいころから
慣れ親しんでいるデザート。

その仲間に
「リオレ」
というデザートがあるのは
みなさん聞いたことがあるでしょうか?!

とのまりこ

「Riz au lait」(リ・オ・レ)
「オレ」の部分は
「カフェオレ」の「オレ」と一緒。

「カフェオレ」は、
ざっくり言って、コーヒー牛乳。
ではでは「コーヒー牛乳」じゃなくて
「なに牛乳」なんだ?!
というと、「Riz」(リ)はお米のこと。

つまり「リオレ」はお米を甘く煮たデザート。
牛乳で煮た甘いリゾット的な物体です。


▲スーパーで買ってきた「リオレ」の一部。

フランスでは伝統的で家庭的な
かなり「ど定番」のデザートなのですが、
最初はほぼ全ての日本人が
「えっ。。。」
っとちょっと顔をしかめる組み合わせ。

私もフランスに来てしばらくは
「え〜。甘い米か〜。
うわ〜。牛乳にお米か〜。きも〜!!」
なんて思って決して手を出しませんでした。


▲レストランのデザートの「リオレ」には
 塩バターキャラメルがかかっているバージョンも多い

バブー
でもみなさんよく考えてみて。
「おはぎ」だって
甘いお米のデザートじゃないか!

オートミールだって
牛乳で煮たりするじゃない!

だったらお米を牛乳で甘く煮ちゃうのも
ありじゃない?!
なんて思えてきたりする。


▲黒いツブツブはバニラビーンズ。
 このバニラビーンズもおいしい「リオレ」の重要なポイント!

とのまりこ
そして、一瞬「え〜っ!!」
と思いながら食べてみるとこれが案外いける。

お茶漬けとか雑炊とか
食事で出てくる煮た米を想像してしまうから
若干の拒否反応をしてしまいがちだけど、
おはぎだって道明寺だって
あんなにおいしいんだ。
牛乳で甘く煮たリゾット的お米だって
おいしいのです♪

「リオレ」がフランスではいかに
お馴染みの家庭的なデザートかは
スーパーのデザートコーナーに行けば
よくわかります。

種類が多すぎてわけがわからないほどの
ヨーグルト(さすが農業大国! と思う瞬間)、
さらにはクレームブリュレ、ムースオショコラ
などのデザートと一緒に、
数種類のリオレが必ず並んでいます。


▲スーパーのデザートコーナーでこの写真を見つけ、
 「えっ!米?でもデザートだよね‥‥
 でもこれどう見ても米だよね…何これ?」となる。
 それが「リオレ」を知らないときの
 日本人的なお決まりのリアクション。

バブー
ビストロやレストランでは
柔らかめ、芯がしっかり残っている固め、
ねっとり系やサラッと系、
こってり甘い系や柑橘で爽やか系など
味や舌触りの個性も様々。

どれが好きかは
もう個人のお好みの問題なんだけど、
パリの中でも「リオレ」がおいしいと有名な
ビストロが何軒かあるので、
その中のひとつのアドレスを書いておくね!
(もちろんお食事もおいしいよ♪)

ちなみに、
「デザートに何合分のお米やねん!!」
ってたぶん思わず
ツッコミを入れたくなるほどの
量がくるのがお決まりのパターンなので
(こってりねっとり甘いリオレが
大きなボールにいっぱいいっぱいとかね)
ぜひお試しして欲しいんだけど、
みんなで1つ、でたぶん十分だよ、
ってことも言っておきます。

チャンスがあったらぜひ試してみてね!!

Chez L’Ami Jean(シェ・ラミジャン)
住所 27 rue Malar 75007 Paris(エッフェル塔の近くだよ)
電話 01 47 05 86 89

余談ですが‥‥。
「Riz au lait」(リオレ)=甘いお米のデザート。
なんとなくいつも
甘いお米のデザート→おはぎ→あんこ
→あんこといえば糸井さん‥‥
と、「リオレ」から糸井さんを連想してしまう
ボクたちバブー家です。

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!

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バブーくんは日本滞在時に、お店にいます。

「Boîte」(ぼわっと)
東京都杉並区西荻北4丁目5−24
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2017-09-12-TUE


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illustration:Jérôme Cointre