「キックボードの 乗り捨てサービス?!」
パリではどこでも好きなところで 乗り捨てできちゃう 自転車シェアリングサービスが 大流行というコラムを前に書いたけど、 今年の夏以降は これの「電動キックボード版」が グングン急成長しているんだよ。
「キックボード」は パリでは2、3歳以上のおそらく ほぼ全ての子供たちが持っている のではないかというほど、 所有率の高いちびっこ定番おもちゃです。
以前のコラムで登場したように、 学校の前にはずらりと通学用の キックボードが駐輪ならぬ 「駐キック」されてます。
さらに子供だけにはあらず。 渋滞が多いパリでは大人でも キックボードで移動する人が多く、 買い物や通勤で使ったり 子供と2人乗りして帰る人を見かけたり ということは以前から目にする 日常風景だったのですが・・・。
電動のキックボードが広まり始めてから、 (電動になると格段に機動力や移動範囲が 広がるので通勤に使う人などが増えた) そして今年の6月からは その電動のキックボードの どこでも乗り捨て可能な シェアリングサービスが登場してからは、 とにかく街の中を疾走?! 激走?! するキックボード族が急増したんだよ。
ちょこちょこ移動する 観光にはピッタリのアイテムだし、 とにかく朝も夕方も渋滞がひどいパリでは 車の間をスイスイ抜けられて 通勤にも最高に便利だしというわけで 観光客も住人も両方が使っているのを 見かけるサービスです。
正直、「うわーーーー危険すぎ・・・」 というスピードで走り抜ける人が多すぎて、 (時速は24kmくらい出る) おそらく事故が多発していると思われるし、 好きな場所に乗り捨て可能という 見る角度によっては とっても迷惑のかかるサービスでもありますが まだまだぐんぐん伸びそうな人気ぶり。
▲公式サイトより。
使い方は、前に紹介した 自転車シェアリングとほぼ一緒。 専用のアプリをダウンロードして、 地図上でキックボードが放置されている 場所を探してそこへ行く。 (ちなみにそこにたどり着くまでに なくなってしまうことが割と多い・・・)
▲アプリの中にこんな風にキックボードがある場所と 充電具合が表示される。公式サイトより。
キックボードについている QRコードを読み込み解錠するシステム。 例えばパリにいちばん最初に参入した 「Lime-S」(実際街でいちばん見かけるのがこれ)は 1回解錠するごとに1ユーロ(約130円)。 そのあと1分ごとに0.15ユーロ(約19.5円) かかるんだよ。
それにしても好きなところに放置できて (一応邪魔にならない公共スペースに 駐車するようにとはされています) しかも電動。 ということは誰がどこで バッテリーをチャージしているの?!
と思っていたら、 どうやら夜9時になるとあちこちにある キックボードを全て回収して 翌朝パリの街に再配置しているのだそう。 なんと夜中にそんなことをしてくれているから 電動のものが乗り捨て可能となっているのです。
気軽にパリの散歩を楽しめるから 観光に来た人にもとってもオススメだよ。
だけどこちらの電動キックボードも 自転車と同じく。 自転車専用道路や車道を走らなくちゃ いけないから注意してね! (とにかくパリジャンの運転は あらいから!乱暴だから!)
キックボードで行き交う人が 急増しているパリ。 パリに来る機会があったら ぜひ観察してみてね!
※この連載を再編集し、 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。 こちらをぜひご覧ください!
2018-11-13-TUE