フランス版の新幹線『TGV』。
車内に乗り込んだ途端、
「う〜ん、外国を旅してる〜♪」
って、「世界の車窓から」のBGMが
頭の中に流れてくるくらい、
素敵な雰囲気なんだけどね。

ひとつ、困ったことがあるんだよ。
それは進行方向に向いている席か
進行方向に向かって後ろ向きの席か。
乗ってみるまでわからないということ。

フランスのTGVの席は、
固定されています。
日本の新幹線の座席のように、
くるりと回転して好きな方向を向ける、
という仕組みにはなっていないのです。

だから車内の約半分ずつの座席が
『前向き』と『後ろ向き』と
違う方向を向いていて、
アンラッキーだと進行方向に向かって
後ろ向きのまま、
数時間も旅しなくては
いけないのです‥‥泣。

後ろ向きの新幹線。
けっこうなスピードなので
若干ジェットコースター気分。

苦手な人にはかなり
辛い旅路となるんだよね。

先週この「パリこれ！」に登場してくれた
フランス人のナタリーもびっくり！

「なんと！
全部が進行方向を向いているなんて。
Super!!!」

と、大興奮でいちばん後ろから
新幹線の車内の様子をパチリと
写真におさめていました。

▲日本の新幹線。思わず車内でパチリとしてしまうほど、
全部の椅子が進行方向を向いているというのは
フランス的には不思議な光景なのです。

「あのレバーみたいのを足で踏むと、
座席がくるりとひっくり返るんだよ。」
と説明。
もうフランス人にとっては
「オーマイゴッド」な魔法です。

さらにフランスではない車内販売。
熱々のコーヒーが、美味しい食べ物が。
自らワゴンに乗って
回ってきてくれるなんて。
これまた「オーマイゴッド」。

フランスのTGVには
飲み物や簡単なスナックが買える
車両はあるのですが、
自分がはるばる移動して
買いに行かなくてはいけないのです。

そして東京に到着して乗客が降りた途端。
一斉に車内清掃が行われる様子は
ズバリ「神業」。

全ての車両にお掃除をする人が乗り込んで、
ものすごいスピードで車内清掃をしていく。
日本のすごい「神業」を眺めるだけで、
ボクたち的には涙が出そうになるくらい
感動するんだよね。

おフランスのTGV職員たちに見せてあげたい。
誰か特集番組を作って
フランスで放送してくれ〜！！！

※この連載を再編集し、
　書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
　こちらをぜひご覧ください！（2015年8月出版）