「15歳から 車の運転の練習?!」
友達の子供たちがどんどん成長し、 中学生や高校生、ティーンエイジャーに。 「新しいスマートフォンが欲しい」 とか、 「友達たちと泊まり旅行に出かけたい」 とか、どこの国でも似たような悩みが多いけれど、 パパとママと交渉したり喧嘩したりする姿を 微笑ましく見ているボクたち。
本人たちにとっては、呑気に微笑ましく のほほんとしてられない 重大事項なんだろうけど!
▲高校生になって、色々パパとママと交渉をするようになった友達の娘ちゃん。
そんなティーンエイジャーたちの話。 先日仲良しファミリーの、 高校生(日本ではまだ中学生)になった お姉ちゃんが、 運転免許についてどうしようか相談しているから びっくり。
なんとフランスでは15歳から 運転の練習ができるんだそう。
その名も「運転の事前見習い」制度 AAC(L’Apprentissage Anticipe de la Conduite)。 15歳で道路交通法の筆記テストを受けられて、 その後は、運転免許保有者を横に乗せて、 実際の道路で運転をして練習していくという システムなんだよ。
ちなみに、前にこのコラムで書いたけど、 フランスには車を運転する用の 教習所スペースがないので、 いきなり路上教習という ビックリな練習の仕方です。
▲前の車、後ろが完全に割れてます‥‥。 こんな状態でも普通に走っちゃうような国だし、 ちょっとぶつけたくらいじゃ問題ないからいいのかな‥‥?!
横に乗って運転を見守る人は、 運転免許をとって5年以上経っていて、 事故なども起こしていなくて、 ともちろんいくつか条件はありますが、 家族とかが横に乗って 練習することができるんです。
この「同伴運転練習システム」 (運転の事前見習い)を クリアするには、 面接をして、1年以上の練習をして、 3,000km以上の走行をして‥‥etc. 同伴者と同じようにいくつか条件がありますが、 このシステムを利用したのちに 運転免許を取った人は (普通の免許は17歳で取れる)、 自動車保険料まで安くなるくらい、 支持されているシステムなんだそうです。
▲自動車学校のサイトより。 フランスには同伴運転ステッカーがあるのは「事前運転見習い」制度があるから
通常の方法で最終試験を突破する人が 52%なのに対して、 「事前見習い」システムを経た人たちの 最終試験突破率は75%と、 成績も良いんだって。
さらに運転免許を取った時に 6ポイントもらって、 事故などを起こさなければ 3年後に12ポイントに増えるのだけど、 それがこのシステムをした人たちには 2年で12ポイントが与えられるんだって。
教習所の教官じゃなく、 素人同士で公道で練習?! 何かあったらどうするの?!
なんてついつい思ってしまうけど、 長い時間をかけてちょっとずつ運転を学べる、 なかなかいいシステムなのかもしれないね?! 日本でもどうかしら?! このシステム。
※この連載を再編集し、 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)
2020-10-27-TUE