バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。


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「8週間のバカンスの
中身にビックリ?!」

 
     
バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
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「8週間のバカンスの中身にビックリ?!」

バブー

フランスの長い夏休みが終わり。
いよいよ今週9月2日から新年度が始まるよ。

フランスの子どもたちの夏休みは約2ヶ月。
高校生はさらに長く2ヶ月半弱ほど。
今までもコラムの中でちょこちょこ触れてきたけど
基本的に宿題も塾もなし!

※学校によっては多少課題が出ることもあるし、
(でもこれも日本の宿題と比べたら「雀の涙」。)
個人的に家庭教師をつけたりはあるけどね、
ごくごく一般的な話として、宿題はなし!
日本のような、特別な勉強をしなくてはいけない
「お受験」もないから、もちろん夏季講習もなし!
そもそも日本的な「塾」という存在がほぼないよ。

とのまりこ
「バカンス」は休むためにあるものだから、
という考えが根っこから染み付いているから、
休み中だって勉強をしなくちゃいけない
という考え方を持っているフランス人が
そもそもかなり稀。
というか私たちは会ったことがありません。

例えば休み中であっても、毎日少しでも
コツコツ続けることが大切と考える
私たち日本人と近いフランス人や、
そんな日本人と結婚したフランス人には、
そういう考えも素晴らしいねと
理解を示す人は多いのですが、
難色を示す人も多く、
理解しあえないで
喧嘩で終わることもしばしば‥‥。


▲今回日仏カップルの3家族と過ごした私たちのバカンス中。
朝の公文など勉強タイムの風景。
やっていれば確実に成績が伸びるので
今ではなんとかフランス人夫側には理解してもらえるになったものの、
「かわいそうだ」「バカンス中なのに」と
今まで何度議論&喧嘩になったかは思い出せないほど‥‥。

バブー
だからフランスの子ども達は、
ボク達から見ると羨ましくなるような、
実にのびのびした子どもらしい夏休みを
過ごしているんだよ!

ボクの弟分、プチモンスターが
幼稚園に通い始めてからは、
とにかく年中大量にあるバカンスをどう過ごすか、
というのが切実な問題で、
よりいっそう興味深いことになったんだ。

だから今年の夏は、幼稚園生から高校生まで、
いろいろな過ごし方パターンを
聞いていたんだけど、
みんな本当にのびのび豊かな過ごし方なんだ。


▲スポーツキャンプやボーイスカウトキャンプなども
全て1週間単位(2週間などもよくある)なのが、長い夏休みを物語っている?!

とのまりこ
例えば‥‥、

【パターン1 小学校高学年の女の子】

・バカンス1週目 
仲良しのお友達の家に泊まり込みながら
テニスの短期集中講座に一緒に通う。
・バカンス2週目 
お友達が今度は自分の家に泊まりに来て、
ミュージカルの集中講座に一緒に通う。
・バカンス3週目と4週目 
おじいちゃんとおばあちゃんの田舎の家で過ごす
(子どもだけを祖父母の家に預けるパターン)。
・バカンス5週目 
友人ファミリー2家族で南仏に家を借りて
バカンスを過ごす。
・バカンス6週目 
別の友人ファミリー4家族と家を借りて
大西洋岸のリゾート地で過ごす。
・バカンス7週目 
おじいちゃんとおばあちゃんの家で
家族も一緒に過ごす。
・バカンス8週目 
パリの自宅で過ごす。
遊園地に行ったり、友達の家に行ったり。


▲家族・親戚ファミリーと過ごすバカンスハウスに
子どもの学校の友人たちを招待して賑やかに過ごした友人一家。
みな招き招かれということに慣れている。

【パターン2 小学校低学年の男の子】

・バカンス1週目 
親が仕事なので学童に申し込み毎日通う。
・バカンス2週目 
ボーイスカウトのキャンプ。
・バカンス3週目 
親戚一同で南仏旅行。
・バカンス4週目 
田舎のおばあちゃんの家で過ごす
(子どもだけを祖父母に預けるパターン)。
・バカンス5週目 
友人ファミリーと南仏に家を借りてバカンス。
・バカンス6週目 
バスク地方に移動して、
友人ファミリーと家を借りてバカンス。
・バカンス7週目と8週目 
田舎のおばあちゃんの家で過ごす
(子どもだけを祖父母に預けるパターン)。

【パターン3 中学生の男の子】

・バカンス1週目 
家のそばの友だち達と遊んだり、泊まったり。
・バカンス2週目 
田舎のおじいちゃんとおばあちゃんの家に
学校の友人を1人招待して一緒に過ごす
(子どもだけを預けるパターン)。
・バカンス3週目 
今度はその友達ファミリーのバカンスに招待され、
バスク地方に連れて行ってもらい一緒に過ごす。
・バカンス4週目 
再び田舎のおじいちゃん&おばあちゃんの家に戻り
パリから合流した妹と過ごす。
・バカンス5週目と6週目 
家族全員で2週間のバカンス。
・バカンス7週目と8週目 
パリの家で近所の友だち達と遊んだり、
泊まりあったり。
毎日誰かの家でご飯を食べているらしい。

※中学生以上は
親の付き添いがなくても出歩けるので、
近所の友達の家に泊まり合いながら遊ぶ、
というパターンも多い。


▲パリにいる間も毎日のように友達を家に呼んだり、逆にお呼ばれしたり、
お泊まり会をしたり夏を楽しむ子どもたち。

【パターン4 幼稚園生の女の子】

・バカンス1週目と2週目 
学童に申し込んで毎日学校に通う。
・バカンス3週目と4週目 
田舎のおじいちゃん&おばあちゃんの家に
預かってもらう。
・バカンス5週目と6週目 
家族全員でバカンスに出かける。
・バカンス7週目と8週目 
田舎のおじいちゃん&おばあちゃんの家に
預かってもらい、乗馬レッスンなど短期講座に通う。


▲例えば「スタージュ」と呼ばれる短期集中講座などに通う場合も
小学生までは大人の送り迎えが必要なため、
お互いの家に泊まりあって送迎の分担をしたりみな工夫します。

【パターン5 高校生の女の子】

・バカンス1週目 
6月に夏休みに突入してからは友人とパリ市内を
歩いたり、スイーツを食べ歩いたりして遊ぶ。
・バカンス2週目と3週目 
大西洋岸の海辺で2週間マリンスポーツをして過ごす。
高校生ばかりのキャンプにも参加。
・バカンス3週目と4週目 
田舎のおじいちゃん&おばあちゃんの家で過ごす。
・バカンス5週目と6週目 
家族全員と友人ファミリー達と賑やかに過ごす。
田舎に家を借りて過ごすバカンス。
・バカンス7週目と8週目 
友達とディズニーランドに行ったり、
近所の友達の家に泊まりに行ったり、
仲良しの友達と過ごす。

などなど‥‥と。
これ、本当にごく一部の友人ファミリーの
子ども達の例を書き出してみただけなのですが
もうなんとなんと、羨ましいため息しか出てこない、
のびのびとした夏休み!

バブー
「夏季講習」「宿題」
「自由研究」なんて文字、
1回も出てこないもんね‥‥(笑)。

そして書き出したリストを
見てもらうとわかるように、
田舎のおじいちゃん&おばあちゃんが
いかに長いバカンスを過ごすことに
貢献してくれているか、
よ〜くわかるよね?!

大人達は自分の仕事の都合もあるから、
2ヶ月の間のやりくり、パピー&マミー
(=おじいちゃん&おばあちゃん)に
協力してもらう人が多いんだ。

ボク達のように
フランス国内に家族・親戚が
いない人から見ると、
本当に羨ましい光景なんだよ。

というわけで、長かったフランスの夏休み。
お勉強からは遠ざかって、
こんなに遊びまくって、
子ども達の頭の中は
どうなってしまうのか?!
という心配はさておき‥‥(汗)。
我が家のプチモンスターも
今週から年中さんに。
真っ黒に日焼けしたクラスメイトとの再会を
楽しみにしているよ♪

実にのびのびとした
子どもらしい過ごし方ができるフランスの夏休み。
ちょっぴり羨ましくなるよね?!

 

*とのまりこさんの新刊が出版されました*


「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

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東京都杉並区西荻北4丁目5−24
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2021-08-31-TUE

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illustration:Jérôme Cointre