「登校は 親子の大事な時間?!」
フランスの幼稚園と小学校はね、 基本的に毎朝の登校が8時30分。 (ちなみに中学生以上は クラスごとに時間割が変わる ちょっと日本の大学生っぽい スケジュールなので、朝の登校時間も変わるよ。)
例えばボクの弟分プチモンスターの学校は 8時20分から30分の間の10分間、 校門が開くからみんなその間に登校するよ。 (日本よりも学校に入れる時間が かなり限定されているよね。)
毎朝目にするこの登校時間。 「ああ、なんていいことなんだろう。」 と思うのが、 親と子どものコミュニケーション。
以前もこのコラムで登場したように、 フランスは、小さな子どもを 絶対にひとりにしてはいけない国。
小学生が1人で電車やバスに乗って 学校や習い事に行くなんてありえないし、 小さな子どもがおつかいを頼まれて 1人でお買い物にいくこともありえないし、 子どもたちだけで公園に行くこともなし。
▲出勤前のお父さんが学校に送っていくという家族もとても多い。 小学校高学年になってもお父さんともちゃんと コミュニケーションする機会が毎日あるのは とても素敵なことだなあとおもいます。
だから学校への登下校も 中学生以上の保護者と必ず一緒。
下校のお迎えは、仕事の関係もあり ベビーシッターという人も少なくないけど 朝はお父さんやお母さんが 付き添っている家庭がほとんどだよ。
▲朝の登校風景。小さな子どもが1人で学校に行くことはないフランス。 必ず大人が登下校に付き添います。
反抗期に差し掛かりそうなお年頃の 小学校高学年の子どもたちも、 お父さんやお母さんと手を繋いで歩いたり、 教科書がいっぱい入った 重い重いカバンを持ってもらったり、 なにやら楽しそうに会話して 学校までの道を歩いています。
▲お父さんとお母さん両方で送っていくパターンも。 そして犬のお散歩もかねて♪
▲イヌの散歩を兼ねる人も多いので、 朝の校門前はわんちゃん大集合で賑やかになったりすることも多い。
子ども1人になることがないのが 当たり前の国だから、 親と一緒に歩くことが恥ずかしかったり、 嫌そうな子どもというのも存在しないし なんだか親と子どもの距離が とっても近くていいなあと、 登校姿の親子の後ろ姿を見るたびに 思うのです。
▲校門まで送り届けたあとは、学校の前が井戸端会議場になることもしばしば。 お父さんたちが送っていくことも多いので、 女性も男性も入り混じって色々おしゃべりします。
フランスはね、小さな頃から 子どもは自分のベッドで寝る。 日本のように「川の字文化」はないし、 ベビーシッターなどに預けてでも 大人は大人のための時間を過ごすために 夜のお出かけをしてしまったり。
大人と子どもの世界が割ときっちり分けられ、 子どもが自立しているという面を 取り上げることも多いけれど。
小さな子ども(基本小学生まで)を 絶対に1人にすることがなかったり、 こんな風に毎朝の登校時間で 親子のコミュニケーションを取る時間が 必ずあったりするところに、 子どもがずっと子どもらしく純粋で (生意気でませているような子が少ない) いられる秘密があるのかなあ、 と思ったりするよ!
▲お母さんやお父さんと楽しそうにおしゃべりしながら。 学校までの足取りも軽い♪
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2022-05-03-TUE