「ホースを出しつつ ドアを閉める?!」
パリではね、昨日月曜日から 冷房を使っているお店やレストランなどは、 エネルギー消費のムダを減らすために ドアを開けっぱなしにしてはいけない、 という決まりになったんだよ。
すでに適用されていたフランス地方の街、 リヨンやブール・アン・ブレスに加え パリとブザンソンでこの 「冷房を使っている商店は ドアを閉めておくという義務化」が スタートしたよ。
▲パリ市長、アンヌ・イダルゴさんのツイッター。 クーラーありの商店のドアの開けっぱなし禁止のという新しい規則のお知らせが。
ちなみに冬の場合の暖房も 同じルールが適用されるようになるそう。 違反すると150ユーロ(約21,000円)の罰金です。 (ただし、テラスがあるバーやレストランに 関してはこの規則は当てはまらない。)
▲これは前も紹介したパリのクーラースタイル。 室外機をつけられない場合が多いので、極太ホースを窓やドアから出すスタイル。 商店ではこのドアを開けっぱなしにしてはいけないという決まりになりました。
日本でも、ヨーロッパの猛暑のことが ニュースで流れていると思うのだけど、 最近はありえなかった酷暑に襲われる日も 増えてきたパリ。 家にも店にも乗り物にも クーラーがないのが当たり前だった、 パリの世界。 ところがここ数年、 定期的にやってくる猛暑のせいで、 商店やホテルやレストランを筆頭に 少しずつクーラーを導入する場所が 増えてきました。
これは我慢の限界を超えた暑さだと、 個人宅でもクーラーを導入する人もちらほら。
▲2017年、2019年、そして今年とありえない酷暑に見舞われているフランス。 パリの友人宅などでも耐えきれなくなってクーラーを導入する家が増えました。 やっぱり窓から極太ホースを出すしかないのでカーテンなどで隙間を埋めてます。
ところがね、なにしろこちらのクーラー、 前にもこのコラムで紹介したけれど、 排熱ダクトの役割を果たす超極太ホースを、 窓やドアの外に出すようにするという タイプがほとんど。
古い建物も多くて穴が開けられないとか、 バルコニーやテラスがないとかで 室外機を設置できないことが多いからだよ。
▲こちらは自分の店のガラスに穴を開けてホースを出しているタイプ。 アルミホイルで補強してあったりして、お綺麗な仕上がりとは言い難いけれど‥‥汗。 ちなみに入口のドアは開きっぱなしでした‥‥。
極太ホースを出しているだけで、 窓やドアには大きな隙間ができてしまうから、 そもそもドアを閉めても だいぶエネルギーの無駄があるとは思いますが‥‥。
▲冷房つけているけど常に扉あけっぱなしのイメージで最初に思いついたご近所のお店。 やっぱり今日も開けたままでした。 この決まりが浸透するのかはまだまだ観察が必要そうです。
でもとにかくできる限りの エネルギー浪費を防ぐということで、 パリでは昨日から この新しい決まりが施行されました。
▲にょろっと極太ホースが出てる店は冷房あり。 なんだかこの姿なんとかならないのかなあ‥‥と思ってしまうおフランスの冷房です。笑
確かに、極太ホースをドアから出しつつ、 ドアを開けっぱなしにしている商店は 多かったからね。
洋服屋さんとか、雑貨屋さんとか、 ドアが開けっぱなしの方が 集客がしやすいっていうのはあるじゃない?
でも今週からはそれができなくなったパリ。 街を歩いてちょっと観察してみようと思うよ。
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2022-07-26-TUE