秋田新幹線「こまち」についに、乗ったぞ。
いま、一生のうちでいちばん働いてる時期だと思うんだ。
いつもの広告の仕事は、それはそれでちゃんとやりながら、
インターネットのホームページを立ち上げちゃったからなんだ。
『ほぼ日刊イトイ新聞』っていうんですけどね。
ちょろちょろっと作るのが苦手なんで、
やぁるぞぉ！なんて決意しちゃったもんだから、
徹夜の連続。
スタッフは、いつもの仕事で一緒に
チームプレイしている人たちと、
まったく素人のボランティアの混合でなりたっている。
その素人のうちでも、
とびっきりの素人約2名（ちまとツルタ）を
引き連れて、東北への列車の旅、
つまりトレイングをしてみることにした。
「修学旅行のあと、こんなことなかったわ」って、
「こんなこと」っていうな。
トレイングなんだから。
「こまち」に乗って秋田まで行って、
しかも鉄道ファンには大人気の
「五能線」にも乗るんだぞ。
実は私も初めてなんだ、五能線。
いや、「こまち」も初めてだった。
想像してるより、現実は豊かなのねん。
睡眠不足をとりかえそうと、まず、私は眠ったね。
これ、つまり、自分が運転してないからこそできること。
トレイングのひとつのよろこびなんだ。
ちまとツルタは、列車内を探検するという。
探検というのは、とにかくあらゆる
空間を見つけだして、ごろりんと横になり「ひろいよー」と
アパート探しのようなセリフ 吐くことらしい。
「もっと、いろいろあるだろうが、
トレイングのたのしみ方ってものが」
「あ、はい。おしゃべりしてて会話が
とぎれた時って、寒いじぁないですか、ムードが」
「列車の旅って、それがないんですよ。
景色とか見てれば、間がうまるんですよぉ」。
おお、それは言える。
五能線。
「リゾートしらかみ」に乗ると、新たな発見があった。
「おばさんたちの方が、先行ってるんですよ、たのしみ方が」。
なにそれ？ どういうこと？
「新聞紙をシートとしてうまく使って、
さくらんぼとかお菓子とかひろげて
わいわいやってる。なんか、旅の先輩のゆとり？ってかんじ？」
そうだなぁ、列車の旅を使いこなしているよなぁ。
ひらがなで書くかんじの「とれいんぐ」かね。
世界遺産の白神山地がひろがる広野原を、線路は続く。
能代の駅では、バスケットボールの
リングがあって、ホームでフリースロー大会。
駅長さんのアイデアらしいぞ。
そういえば能代工業って、全国大会47回優勝の学校だったよ。
田中麗奈ちゃんと、旗をふる！
こんどのトレイングのポスターは、旗なのだ。
車窓から外を眺めていると、
視界のなかに大きな旗がはいってくる。
なんと、その旗をふっているのは田中麗奈ちゃんだ。
と、そういうディレクションなのである。
もうすでに、私はそのことを知っている。
スタッフなんだから、当たり前だな。
ＴＲＡＩＮＧ少女の気分を
ちょっと味わおうと、私もひとふりさせてもらう。
ロケのじゃまをしたわけではないんだよ。
このロケ地、どこっでしょう？
五能線に乗ってみたら、おんなじ景色がみえるはずだよ。
千畳敷・田中屋の「元＆現アイドル」は、忘れられない。
千畳敷の民宿食堂・田中は、とんでもなく新鮮な海の幸を、
どさどさというかんじで出してくれた。
めかぶ、水さざえ、ノドグロの刺身、
こういうものは、普段なかなか食べられるものじゃない。
普段なかなか食べられないものを持ってきてくれるのは、
普段なかなか出会えないタイプの女将さんだ。
「あんた、テレビで穴掘ってた人じゃない？」と、
問いかけたそのひとの魅力をひとことで表すのは難しい。
ふたことでも難しいだろうが、大人気のアイドルである。
あき竹城にちょいと似たこの女性は、
昔もアイドルだったらしく、サイン入りの彼女のＴシャツが、
土産として売られているくらいの大物なのである。
私も、ちまもツルタも、ＬサイズのＴシャツを1枚ずつ買った。
千畳敷には、こんど釣りで来たいと思いましたね。 
仕上げは、チャレンジの
砂風呂だい！
田中屋から、五所川原までは、
鰺ヶ沢の舞戸小学校の校長先生に車で送ってもらった。
舞の海の出身校の先生だって。
砂風呂が名物の「あすなろ温泉」に寄って帰ろうというわけ。
ここのご主人の新しいものに取り組む姿勢は近所でも有名。
砂風呂にチャレンジした後は、
すっぽんの養殖、ワニ園開園の計画もあるって。
からだも暖まったし、帰ろうか。
「えっ、こんなに、楽しいだけで帰っちゃっていいんですか？」
なにを言ってるんだ素人ライターたちよ。
楽しまないで、原稿が書けるかね。
「ええっ！原稿も書くんですかぁ！？」って、
すごいのつれてきちゃったなぁ。
（以上が、「トレイング・ニュース」
からの再録でした）
→実物はこちら。
で、さぁ、たいへんだー。
じぶんたちの原稿を書かなくちゃっ。
よーし！
