この当時、デパートにはまだ (文:土屋耕一 |
徳光 | カジュアルウェアのこと、 アメリカでは「スポーツウェア」と言うんです。 伊勢丹研究所のみんなは、 年に4、5回、海外を回って、 僕らにレポートをする時に、 カジュアルウェアと言わず、 スポーツウェアって言っていた。 「これからはスポーツウェアの時代になる」と。 つまりね、世の中が、 スポーツは特殊な技能の持ち主がすること、 という位置づけから、 生活自体をスポーツ感覚で過ごすようになる、 そんなふうに言いたかったんだと思います。 |
ほぼ日 | 写真も、フリスビーです。 |
徳光 | そうです。そういうファッショントレンドだった。 ちょうどこの時期、 カルバン・クラインの人気が出た頃です。 カルバン・クラインっていうのは、 向こうではスポーツウェアのデザイナーと言われてた。 これを伊勢丹が展開した。 一方、西武は、ラルフ・ローレン。 |
ほぼ日 | 同じトレンドの下で、 競い合っていたんですね。 |
徳光 | 当時は、伊勢丹への電話の問い合わせで、 一番多かったのが、ラルフ・ローレンについて。 |
伊勢丹 宣伝部 |
「扱ってないんですか?」と。 |
徳光 | 西武で一番多かったのが、 「カルバン・クラインを 扱ってないんですか?」(笑)。 僕、西武の人に、 「交換しようよ」って言ったことあるんだけど。 |
ほぼ日 | (笑) |
徳光 | 当時、西武に、僕の立場と同じ人がいたんだけれど、 伊勢丹と西武の違いが、まざまざ出てましたよ。 「一度、伊勢丹の宣伝部に遊びに来てくださいよ」って、 いらしたんです。そうしたら、 半ズボン履いてね、探検隊みたいな帽子被って、 サングラスかけて来たんだ(笑)。 「西武って、そんな格好でいいんですか?」 って言ったら、 「いいんじゃないの?」って。 |
ほぼ日 | 企業文化、ずいぶん違いますね。 |
徳光 | そうですよ。僕らはスーツでしたから。 |
先日の国際女子マラソンで一着に入った (文:土屋耕一 |
徳光 | この辺は、また女性に戻ったんですね。 これは1980年の、年頭キャンペーンですが、 ちょうど前年、資生堂が協賛して、 東京国際女子マラソンが始まったんです。 |
ほぼ日 | 女の人のための広告なんですね。 |
徳光 | そうなんです。 時々、こうやって、女性に戻るんですよ。 本来だったら、もっともっと、 ライフスタイル寄りでやりたかったと思うんですが、 これは、土屋さんが戻ってるんじゃなくて、 伊勢丹が、ぶれて、戻るんです。 大先生といえども、クライアントの意向がある。 それも、一担当者がこういうこと言ってるんじゃなくて、 伊勢丹全体のそのトレンドですから。 伊勢丹研究所がそういうことを決めると、 仕入れが、全部、そういう形になるんですよ。 店の中がそうなるわけだから、 広告だけがそれに反発しても、お客様と店との距離が出る。 広告と店が離れてるデパートって、あるじゃないですか、 「伊勢丹は、そういうことがないようにしよう」 っていうのは、土屋さん、いつも言われてたんで。 でも、これも決して、商品広告ではないんですよね。 |
1月・初の国公立大学共通一時試験
6月・東京サミット開催
7月・東名、日本坂トンネル事故
11月・第1回東京国際女子マラソン
・「3年B組金八先生」
・「マー姉ちゃん」
・「スーパーマン」
・「チャンプ」
・VSOP
・夕暮れ族
・天中殺
・ソニー・ウォークマン
・「好きだと言うかわりにシャッターを押した」(オリンパス)
・「トースト娘ができあがる」(全日空)
・「ヒーローになる時、それは今」(SEIKO)
・「関白宣言」(さだまさし)
・「チャンピオン」(アリス)
・「YMCA」(ヴィレッジ・ピープル)
・ガソリン(1リットル) ¥125
・大卒銀行初任給 ¥98,000
・牛乳(1本) ¥55
6月・初の衆参同時選挙
8月・静岡駅地下街でガス爆発
・新宿駅西口バス放火事件
9月・イラン・イラク戦争勃発
・「池中玄太80キロ」
・「なっちゃんの写真館」
・「クレイマー・クレイマー」
・「地獄の黙示録」
・ルービックキューブ
・ぶりっ子
・ハマトラ、ニュートラ
・イエスの方舟
・「不思議なピーチパイ」(資生堂)
・「いまの君はピカピカに光って」(ミノルタ)
・「少し愛して、ながーく愛して」(サントリー)
・「大都会」(クリスタルキング)
・「哀愁でいと」(田原俊彦)
・「ダンシング・シスター」(ノーランズ)