それでは、テキスト、
『土屋耕一のことばの遊び場。』の
『回文の愉しみ』のほうを出してください。
そう、和田誠さんが編集されたほうです。
その217ページを開くと、
「舌の体操」という章がありますね。
これをつかってみんなで遊んでみましょう。
土屋耕一さんは、この章で、
「早く滑らかにしゃべることが
不可能なように仕組まれている言葉」
について語っています。
例として挙げられているのは、
「癖湿地(ひしつち)」
「尿流量(にょうりゅうりょう)」
「主治医は手術中(しゅじいはしゅじゅつちゅう)」
といった言葉。
ま、一般的にそれは「早口言葉」と
呼ばれているのかもしれませんが、
土屋さんはそれを「早口言葉」と呼ぶと
「早口でしゃべる競争のよう」だとして、
早口言葉というよりも
「舌の体操」くらいの表現が
いいのではないか、とおっしゃってます。
たしかに、そういう
「滑らかにしゃべりづらい言葉」を
わざわざつくる遊びは、
早口でしゃべれるかどうかやってみる、
ということとは、ちょっと違いますもんね。
そういうわけで、募集するのは、
「こりゃあ、いいづらいなぁ」という言葉です。
といっても、早口言葉のように、
「意味は通らなくてもいいから
とにかく言いづらいもの」じゃないほういい。
「カエルぴょこぴょこみぴょこぴょこ
合わせてぴょこぴょこむぴょこぴょこ」は
たしかに言いづらいけど、
そんな言葉を実際に言ったりしないでしょう?
たとえば土屋耕一さんは
「主力出力の小出力化
(しゅりょくしゅつりょくの
しょうしゅつりょくか)」という言葉を、
「新聞の経済欄に出てきたっておかしくない言葉」
というふうに表現されています。
そう、実際に使ったり
言ったりするかもしれないからこそ、
「舌の体操」であるわけですね。
そこで、今回の課題は、
このようにしてみたいと思います。
「ドラマの台本に書かれていてもおかしくない、
『舌の体操』的なセリフ」
どんなドラマのどんな場面かは知りませんし、
そこはわざわざ書かなくてもOKです。
実際のセリフとしてありそうな、
意味の通っている「舌の体操」的セリフを
つくっておくってくださいね。
そう、その台本をもらった俳優さんが
思わず頭を抱えてしまうような、言いづらいセリフを。
たとえば、そうですね‥‥。
「親が見誤ったね」
「車掌の表彰は少々尚早だ」
「四六時中手術室で施術する職種だぞ?」
土屋さんもおっしゃってるように、
「見かけは、なんということもない
平凡な一語のフリをしている」というのミソです。
その意味では、「四六時中施術室‥‥」は、
ちょっと作為的すぎるかもしれませんね。
ま、気楽に、気軽に送ってください。
また、何日かしたら、集計して発表しますね。
どうぞよろしくお願いします。 |