それではみなさん、テキスト、
『土屋耕一のことばの遊び場。』の
『ことばの遊びと考え』のほうを出してください。
こちらは糸井重里が編集したほうですね。
その119ページを開きますと、
「即席俳句」なる見出しが目に入ります。
簡単に説明しましょう。
句会などで即興の俳句をつくるとき、
「万能の七と五」をつくっておくと、
たいへん便利である、ということです。
俳句というのは、五七五で成り立ってますよね。
この、後半の七と五を、
「どんな上の句が来ても成立するように」
あらかじめつくっておくんですよ。
例を挙げましょう。
土屋耕一さんは、古来からある文句として
「根岸の里のわびずまい」を紹介されています。
この「七五」の上に、季語をちょこんと乗せると、
どのようなことばでもそれっぽい俳句になる、と。
秋深し根岸の里のわびずまい
赤とんぼ根岸の里のわびずまい
いかがです?
続けて土屋さんは、自作として、
「時計ばかりがコチコチと」
「座敷を猫が通りぬけ」
というふたつの文句を載せています。
これの上に季語を乗せますと‥‥。
小春日や時計ばかりがコチコチと
雪つもる時計ばかりがコチコチと
雪どけや座敷を猫が通りぬけ
玉子酒座敷を猫が通りぬけ
うーーん、お見事です。
土屋耕一さん曰く、
「なんとなく意味ありげなところがいい」と。
さあ、みなさん、おわかりですね。
次回の課題は「俳句即製用万能七五フレーズ」です。
上にどんな季語を乗せても成立しそうな、
なんとなく意味ありげな、「七五」をお寄せください。
ただし、この課題、
成り立つ領域がけっこう広いため、
品質や個性が一層問われることになりそうです。
それでは、どうぞ、おたのしみください。
また何日かしたら、締め切って発表します。
このへん、締切とか、
きちんと区切ってない曖昧さがいいでしょう? |