第2回 そこにいた人たちでやりました。
ウゴウゴルーガに出演していたキャラクターが
ほとんどフジテレビの社員さんだった、
ということに、驚きを隠せない我々です。
トマト 何度も言いますけど、ホントに
みんな芸達者でしたよね。
ほぼ日 でも‥‥きっと、
現場の空気を知ってる人じゃないと
できなかった、ということも
あるのではないでしょうか。
桜井 うん。役者さんとかナレーターさんとかに
やってもらおうとしたら、
きっと大変だったと思います。
こういうふうにするんですよって、
お願いしなきゃいけないし、
それは、めんどくさいし伝わらない。
だけど、スタッフだったら
全部知ってることだから。
トマト だけど、もともとは
プロにお願いしようと思ってたんですよ。
ほぼ日 そうなんですか。
トマト ウゴウゴちゃんとルーガちゃんの
オーディションのときに
テストで「ちょっと相手をやってみて」って
言われて、そのまま。
桜井 いや‥‥ディレクターの福原は、最初から
プロを雇おうとなんて思ってなかったと思うよ。
ほぼ日 確信犯ですか。
桜井 「ちょっと相手をやってみて」の時点で
やらせようと思ってた、きっと。
トマト その気持ちは、聞いたことないです。
「意外にうまく行ったから、じゃあ」
ということかと思ってた‥‥。
桜井 本心は違うと思います。
だって、あのドタバタのなかで
ナレーターさんを選ぶ余裕なんて
全くなかったもの。
ほぼ日 あとで福原さんに直接聞いてみましょう。
トマト 私はウゴウゴルーガを担当する前、
「FNN World Uplink」という
情報番組を担当していました。
パリ支局に半年いて、
帰ってきてすぐ上司から
「ある番組」の手伝いをするように
言われたんです。
ほんとうは「今夜は好奇心!」という、
情報番組を担当するはずだったんですけど、
当時の上司に
「おまえは『今夜は好奇心!』の
 担当であることはまちがいない。
 その番組をやる。やるけれども、
 これからはじまるある番組を
 1ヶ月だけ手伝ってくれ」
と言われて。
ほぼ日 1ヶ月だけ?
トマト そう。1ヶ月のつもりで行ったのに‥‥。
桜井 いやいや、福原は、
もろもろ計算済みですよ。
ほぼ日 怖いですね。
トマト 怖いですよ。
桜井 トマトちゃんにしてしまえば、
もう抜けられなくなりますからね。
トマト ウゴウゴルーガに行ってしばらくして、
私は1回だけ
当時の上司にこう言いました。
「私は、ドキュメンタリーとか
 情報番組みたいなものをつくりたいんです!」
一同 ははははは。
トマト 「1ヶ月という約束で行ったのに、
 私はこのウゴウゴルーガという番組を、
 このままやるんですか!」
ほぼ日 それを聞いて
上司はどうおっしゃったんですか?
トマト 「人生いろいろ経験だからなあ。
 これは、おまえがほしいと言われてる
 ということであり、
 それはおまえにとって
 すごくありがたいってことだから、
 そこでちゃんと働きなさい」
と。
桜井 うーーん、いま、その「上司」は
フジテレビで偉くなってる人です。
だけど、いやいや、
偉くなるだけのことはあるね。
うん、いま考えても
それはすごいと思います。
トマト そうですね‥‥。
ほぼ日 それがそのままトマトちゃんの涙に‥‥。
トマト そうなの〜〜〜。
ああ、あたし、この番組やるんだわ〜〜。
(つづきます)
2009-03-27-FRI
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