7、「顔」
顔というのを過大評価している人もいれば、
どうでもいいと思っている人もいると思うけれど、
顔が全てだ、見た目が全てだと私は思っています。
顔のまわりのぽわーんとした雰囲気や服の色や形、
肌の質感も大きく含めて、
顔には全部出てしまっていると思うのです。
今のところ、この仮説をうちやぶる実例がないので、
とりあえずこれからもずっとそう思い続けます。
お腹の中に赤ちゃんがいたとき、
九ヶ月くらいまでずっと、
自分でつけた名前をいくら呼んでも、
どの顔の人に呼びかけてるのかさっぱりわからず、
そのことがすごく気になった。
あしながおじさんとか
キャンディ・キャンディのなんとかおじさんとか、
顔も知らずに援助してくれる輩を、
よくあいつら信用してたな、とさえ思いました。
そしてオギャーと出てきたときが究極の初対面で、
それはもはや、九ヶ月も同棲していたのに
顔を見てないというのといっしょです。
まだ水っぽくてなんとなくぬるっとした彼が
おなかに載せられたとき、
「こういう顔の人だったのか!中にいたのは!」
と私はほんとうにびっくりしました。
きっとあれにいちばん近い気持ちは、
お互いに会わずにメールだけで
長い間愛をはぐくんだメル友に、
はじめて会うときだろうと思う。
好きなタイプの顔だったので、ほんとうによかったです。
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