名前、性別、年齢もわからない2匹のねことの、出会いから別れまでの5月間をつづった連載「2匹のねこがやってきて、去ってった。 〜牛と海苔の思い出〜」から、半年。去ってった2匹は、ほんとうの飼い主さんと暮らしている。その後、あらたに別のねこがやってきた。さらに、ひょんなことから、牛がすぐに帰ってきた。2匹との生活が、またはじまった。いつまでここにいるんだろう。だれにも、わからない。期間限定、毎日更新で「文と写真・ゆーないと」でお届けします。
最終回

何がきっかけなのかは、わからない。
なんだか、急に、というか
知らぬ間というのが一番正しいかもしれない。
知らぬ間に、牛とミッツの距離も、近づいていた。

ミッツはいつも、
牛のしっぽに反応して、ちょっかいを出す。


牛から誘うこともある。


なんとなく並んでいることもあるし。


同時に振り向くときだってある。


時には、追いかけっこをするまでになった。
とてもほほえましくて、うれしい。
すごく仲良しというわけではないけれど
ちょっと近所の遊び友だちくらいのレベルには
なっているかもしれない。
ちょっと前までは確実に、
友だち以下の知り合いくらいだった。
いまは、知り合い以上友だち未満‥‥?

最近、少しずつ、警戒区域の中でも、
避難指示が解除になる場所があったり、
いろいろと動きが出てきているようだ。
でも、いつ、どうなるか、わからない。
牛はまた福島に帰るかもしれないし、
ミッツには、里親が見つかるかもしれない。
見つからないかもしれない。
先のことは、やっぱりなにもわからないけれど、
とにかく、いまの毎日を、2匹とたのしく過ごします。

そろそろ、海苔にも、会いに行こう。
牛とミッツは、お留守番しててね。
いい子で。

(おしまい。 ありがとうございました。)

2012-05-10-THU
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