2匹のねこがやってきて、去ってった。〜牛と海苔の思い出〜あれは4月のことだった。我が家に2匹のねこがやってきた。誰に飼われているのか、名前も、性別も、年齢もわからない。わかっていることは、同じ家で飼われていたっぽいということだけ。5か月間の共同生活の記録を、「文と写真:ゆーないと」でお届けします。
第0回

3月11日から6か月が過ぎて、
いろいろなことが、変わってきている。

我が家にいた、ねこの牛と海苔の飼い主・Hさんは、
震災後、福島県内のいくつかの避難所で暮らしていた。
8月に遊びに行ったときに
「ペットを飼ってもいい仮設住宅に入居が決まった」
と、うれしそうに話していた。
「よかったですね」と、
わたしも一緒になってよろこんだ。

そのすぐあとの8月末に、入居できたそうだ。
Hさんの願いは、

「1日でも早く、飼っていた8匹のねこと暮らしたい」

9月15日、牛と海苔は福島に帰りました。

この5か月間は、
ほんとうに、たのしい、にぎやかな共同生活だった。
みんなでよく寝て、よく笑い、よく食べた。
最後のほうは、ちょっと泣いた。

「ねこは忘れっぽい」といわれているけど、
牛と海苔はどうだろう?

ふたりとも、元気でね。いい子にするんだよ。
ありがとう。バイバイ!



(つづく)

2011-09-20-TUE
  次へ

感想を送る ツイートする ほぼ日ホームへ