ジモティーズ観光案内 こんなにいい場所に来ないのはバカだぞ! |
毛の神様が高松にいた! 〜香川県高松市編〜 ほぼ日読者のみなさま、「うまいもん喰って温泉入って 綺麗な風景があって」という“観光”とはちょっと違うとは 思いますが、私の住んでる香川県高松市にお薦めの 秘密スポットがあるのでお知らせしたいと思います。 特に「毛」関係にお悩みの方には… そうはいっても、たぶん関西中四国以外在住の人には、 香川県がどこにあるのか分からないと思うので、 まずは香川県の紹介から。 香川県は四国の4県のひとつ、瀬戸大橋や金比羅さんが あるところ。阿波踊りで有名な徳島、 坂本龍馬で有名な高知、の、お隣の県です。 瀬戸内海を挟んで、岡山県の真向かいにあります。 旧名は「讃岐(さぬき)」。他県の人にいばれる名物は 「さぬきうどん」。ほんとにおいしーんだから! って、 今回はそういう話ではなかった。 本題です。 香川県の県庁所在地である高松市には、 「毛髪の神様の祠」(ほこら)があるんです! たぶん、きっと、おそらく、日本で唯一。 といっても、地元の人間でもあんまり知らないと思う メチャクチャマイナーなところなんですけど。 この祠は赤ちゃんの初毛をお供えすると 「美髪に恵まれ、若禿・白髪の防止、体毛の発育に 霊験あらたか」(祠の説明看板より) なんですから、そりゃーもう、すごい神様なんです。 ここにちゃーんと書いてあるのだ! この祠のあるあたりは、私がこの近所に住んでた頃の お散歩コースで、何回かシャレでお参りしたりしてました。 ……ごめんなさい、嘘です。シャレと書きましたが、 実は本気でした。 というのも、私のじーさんがツルッパゲで、 遺伝したらイヤだったんだもん。だからけっこう本気で お参りしていたのです。 そのおかげ(!?)か、いま36歳ですが髪はフサフサです。 将来的にも、なーんの心配もいらない感じ。 ただ子供の頃から白髪が多くて、いまも白髪だらけ。 でも「白髪なおしてください」ってお願いはしません。 だって「では白髪でなければよいのじゃな」なんてことに なったら、つるっぱげになっちゃうかもしれない。 それじゃあ困るので、白髪のまんまでいいやと思ってます。 なんとなくね、いっぺんに2つの願いは効かないと思う。 結婚して子供ができたときも、お参りしました。 そのせいかウチの子は、普通ならハゲ頭の乳児の頃に、 すでに髪の毛がボウボウ。 いまとなっては、この通りです。 ウチの子です。寝ぐせじゃありません。 どんなに散髪しても、すぐボサボサになっちゃう。 さすが霊験あらたか!? この祠は正式には「髪授神祠」といいます。 読み方がわからないんですが、「カミサズケシンシ」だと 思います。私は勝手に「髪授けの神さん」と呼んでます。 神様の名前は“飽昨能 宇斯神(アキグノ ウシノカミ)”。 その神様といっしょに、日本理容業の業祖も 奉られているらしい。 神話の神様と、実学の神様がいっしょにいるんですね。 そりゃあ、霊験もあらたかになろうというものです。 ちなみにこの神様(アキグノウシノカミ)は、その昔、 『ゲゲゲの鬼太郎』に出て鬼太郎を手助けしたことがある、 (アニメじゃなくて原作の方)と記憶しています。 水木しげるさんのお描きになったのは、 たしか、長い髪の毛のかたまりに手足が生えた、みたいな 姿形でした。直球そのまんまのデザインですが、 ひょっとして古い文献にそういう姿があるのかも しれませんね。 興味のある方はお参り前に、マンガを読んで 探してみてください。 それから、境内には毛髪の霊を供養する 「毛魂碑」もあります。「毛魂碑」は、洋裁や和裁する人の 「針供養碑」みたいなもの。 つまり散髪とかで切っちゃった髪を供養する碑です。 毛にも魂があるんですねぇ。 これが毛魂碑だ! 毛魂碑って、なんか、 育毛剤の名前みたい。 この「髪授神祠」は宮脇町(ミヤワキチョウ)と 西宝町(サイホウチョウ)の境目くらいにある、 「蜂穴神社」(ハチアナジンジャ)の境内にあります。 この「蜂穴神社」自体がマイナーで、 神主さんとか管理人さんとかは誰もいません。 当然、電話もありません。 住所としては「高松市西宝町2丁目3番地」ですが、 地図で探すなら「宮脇町1丁目28-7の裏側」あたりを 見てください。 <高松駅からのアクセス> それでは、行き方をご説明もうしあげましょう。 高松空港とか高速道路「高松西IC」とかもありますが、 一番わかりよいのはJRです。 四国内の人は迷わず高松駅へ行けると思います。 四国外の人は、新幹線でJR岡山駅へ行って、そこから 「瀬戸大橋線」の「高松行き」に乗ってください。 終点が「高松」です。岡山−高松は「快速マリンライナー」 が数十分おきに走ってるので楽勝だと思います。 空港利用の人も、一度「JR高松駅」へ行きましょう。 (JR高松駅行きのシャトルバスがあります) JR高松駅は現在仮駅舎ですので、 出口に迷うことはありません。 改札を出たらまっすぐ正面の出口へ進んでください。 駅舎を出ると、そこにバス&タクシーが 待ちかまえています。 高松市についたら、まずは「石清尾八幡神社」(イワセオ ハチマンジンジャ。通称:いわせおのはちまんさん)にまで 行きましょう。「石清尾八幡神社」は高松市の氏神様で、 高松在住者なら、たいてい知ってます。車の人は、 後に書いてある「石清尾八幡神社」をロードマップで 探してくださいね。 これが石清尾八幡神社だ! JR高松駅から「石清尾八幡神社」まではタクシーで 10〜15分くらい。料金は1200〜1300円くらいです。 運転手さんに「石清尾八幡神社まで」といえば、OKです。 もし知らなかったら、モグリか、新人か、 タクシーによく似た別の車に乗ったかです。 バス利用の場合は「大的場・市民病院線」の 「市民病院行き」に乗ってください。 料金は大人で250円くらい。後ろのドアから乗って、 降りるときに料金を払います(乗るときには、ドアそばの 箱から出てくる乗車券を取るのを忘れずに!)。 この時、間違っても「大的場健康センター行き」に乗っては いけません。まったく逆方向です。 渋滞してなければ15分くらいで「八幡前」に着きます。 そこで下車してください。 バス停のすぐそばにある信号を左に曲がると 「石清尾八幡神社」です。 <石清尾八幡神社から、蜂穴神社へ> 石清水八幡神社に着いたら、ここからは徒歩数分です。 周辺マップ。プリントアウトしてぜひお持ちください。 石清尾八幡宮の周りには「擂鉢谷川」(スリバチダニガワ) という情緒ある名前の小さな川が流れています。 この川沿いの道を、右方向へテクテク行ってください。 春には桜、初夏にはツツジ、秋には紅葉が楽しめます。 途中、川沿いの道が細くなっても気にせずに進みます。 細い道で不安になるかもしれないけど、大丈夫。 まるで用水路のような川の向こう側に、 「髪授神祠」と「蜂穴神社」の看板があります。 これを見つけたら、そばに小さい石柱があるので そっちへGO! 目印は2本の石柱。もうすぐだぞ! 他人の家の裏庭を歩いてるような変な気持ちになりますが、 それにめげず進むと「蜂穴神社」という小さな神社に たどり着くはずです。このあたり、舗装されてない 山道なので、ヒールの人は要注意。 これが参道。ちょっと行くのを ためらってしまうほどサビシー。 めざす「髪授神祠」は、その境内にあります。 小さな祠が2つくらいありますが、 小さいのは不動明王の祠、 大きめの方が「髪授神祠」です。お間違えなく。 これが蜂穴神社です。 これが髪授神祠です。 おお、参拝者が! 私がここに来るときって、 たいてい誰もいないから、驚きました。近所の人かなあ。 毛はどうだろう。なるほど、お年のわりには髪フサ系です。 やっぱり御利益ありと見た! 熱心な参拝者は髪フサフサだった! まわりは住宅街なのに、そこだけいきなり山の中の雰囲気。 雨の日や夕暮れ、夜には近づきたくないような ロケーションです。う〜ん京極夏彦? 思わず、 「なんでこんなとこにわざわざ来てしまったんだろう……」 と、これまでの人生を振り返ってしまうこと請け合いです。 祠にお参りして、若ハゲ予防を祈るもよし、 自分はさておき、子供に遺伝しないように祈るもよし、 髪の復活を祈るもよし。 リアップを持参してお祈りしてから使うのも一興かも しれません。 理容&美容院関係の人なら、技術向上を祈ってもいいかも。 (なんせ日本理容界の業祖も奉られてるということだし) シザーズリーグをめざすおにーさん、おねーさんも、 ぜひお参りしてほしいです。 最後に… 行ったところで祠以外は何もありません。 だいたい、神主さんがいないんだもの。 お守りもおみくじも開運グッズも発毛グッズも、 なーんにもありません。商売っけ、ない。 珍しいもの好き、変わったこと好き、 鬼太郎ファン、髪のことで神頼みしたい人、 にのみお薦めします。 ヤギダイ (制作協力:プハリー) |
2000-03-07-TUE
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