ジモティーズ観光案内 こんなにいい場所に来ないのはバカだぞ! |
日高山脈館に来てね! 〜北海道日高町篇〜 ひろーい大地北海道! というイメージとは ちと違っているかもしれませんが、 きれいな空と川と山に恵まれた 日高町と、勤め先の日高山脈館を紹介させてください。 【ここへ来たいきさつなど】 『日高山脈館』というのは町営の博物館で、 99年の6月にオープンしました。 ここの開館準備に携わっていたある会社が、 たまたま私のバイト先でした。学芸員っていいなー、 と学校で資格だけ取っていた私は、これ幸いと 「お願い、人を雇うならぜひ私を採って!!」。 何とか希望は通り、いろいろありつつも99年の5月に 日高町の住民となることができました。 北の町、日高で働いているワタクシ。 昔から漠然と持っていたのは“南の海への憧れ”だった はずなのですが・・・はずみで来道してから、気がつけば はや10年あまり。今じゃすっかり北の大地のとりこになって しまいました。 【何が気に入ったのか?】 なんといっても空気がさわやか。 これは日高町はもちろんのこと、 札幌市でもかなりいいです。 それから、風景がいい。ちょっと車を転がせば……、 そう、15分もいけば十分、景色が楽しめるんです。 夏の緑もいいですけど、 秋の紅葉の鮮やかさはため息が出ます。 本州で見ていた紅葉は渋い感じがしますが、 こちらの紅葉はなんてはっきりした色なんだろう! 冬は晴れた日の雪と木のコントラストが なんとも言えません。 あ、もちろんちょっと歩けば車に乗らなくても 十分堪能できますよ。去年はほとんど散策しなかったので、 今年は少し歩かなきゃと思っています。 日勝峠の日高側入り口では、巨大クマがお客様を出迎えます。 そうそう、星もかなり見えます。場所を考えれば もう少し空が暗くてもいい気がしますが、 まあ国道があんなにそばなんだししょうがないのかも。 毎日でっかい北斗七星やらオリオン座やら見ながら うちに帰ります。(注:もちろんもっとマイナーな 星座もバリバリ見えてるはずです。でも、あまりに星が いっぱいあってどれがどの星をどう繋げばどの星座に なるのかすっかり忘れたの) 【日高に春は来たか?】 もう、3月もおわりですね。3月に入って気温が プラスになり、「ああ春だー」と思ったのもつかの間。 あれはどうやらフェイントだったようで、 その後もザンザンと吹雪、きます。 道内で私が「ああ、春だ!」と感じるのは、 ゴールデンウィークあたりに一斉に新緑が来る頃です。 でもこれは初夏のイメージでもあります。 日高町での雪解けシーズンは初めてなので、 どんな具合になるか楽しみにしてます。 ああ、そうだ。凍ることを心配して留守の日中も 寝る夜間も水落しをしていたのが、 最近はしなくなりました。そうだ、春は近いぞ! でもね、まだまだ寒いのよ〜〜。 【日高町ってどこ!?】 住所は、北海道沙流(さる)郡日高町といいます。 日高地方というとほとんどの方は「太平洋」 「新冠や浦河」「襟裳岬」「馬」などを連想するようです。 これは決して間違いではありませんが、“日高支庁”という 行政区分の中にはもう少し内陸部も含まれるのです。 日高支庁の北の端、日高山脈の西のふもと、 『日高地方にしては』雪の多い町が日高町です。 道内を縦横に走る国道274号線と国道237号線の交差する ところで、札幌と帯広のちょうど真ん中あたりになります。 車で20分ほどの占冠駅(石勝線)が最寄駅です。 苫小牧側から国鉄が通じていたこともありますが、 これは廃線になってしまいました。ちなみに占冠は 最低気温でお耳なじみではないかと思います。 だから日高もかなり冷えますよ。 日高町へ来る交通手段はJR、バス、車などがあります。 私が、ちょっと気合を入れて作ったページがありますので、 よかったらそちらをご参照ください。えへん。 【町の様子】 人口は約2200人。昭和40年代? までは林業・鉱山関係で にぎわっていたのですが、その後これら産業の衰退とともに 人口が減ったそうです。 その割にあまりさびしい感じがしないのは、 274号線が町の真ん中を通っているせいで 車や人の流れが感じられるからではないでしょうか。 町内は道路拡幅が行われてとてもこぎれいになり、 道の駅と、道内一の売上を誇るというセイコーマート (道内ではたいへんポピュラーなコンビニ)もあります。 まわりは山、つまり盆地です。ほとんど1000m級の 山々ですが、それでも囲まれたような感じが薄いのは、 ここがすでに標高300m近くあるためでしょう。 【日高山脈館に来てね!】 それでは、私の勤め先、日高山脈館を 紹介させてくださいね。ここは町営の自然系博物館で、 道の駅に隣接。日高山脈をテーマに、地質・動植物・ 登山関連資料を展示しています。 これは、館がオープンしたときの写真。 ●地質フロア● ここには、専門家の目による最新情報が満載です。 地質研究者や興味をお持ちの方からは賞賛いただいて います。「よくもこんなド田舎にこれほどの内容を・・・」 と、ある研究者の方がおっしゃったほど。 たとえば、日高山脈は地殻が20kmもの厚さで 捲れあがってできた山脈です。山脈の西側の方が 深いところで、東に行くにつれて浅い部分が見えている。 ということは、西側では900℃近い温度を経験した 岩石やら、マグマ溜りがゆっくり固まった深成岩やらが 見られる一方で、東のふもとではほとんど生のままの (=温度が高くなっていない)堆積岩が見えます。 そしてここは、東側のプレートと 西側のユーラシアプレートが衝突した、 大きな境界部でもあるのです。 このような推論を導いている現在の研究、 この元になっている“現場の石”、“山を歩き回って 作られている地質図”などを展示して、パネルの説明に 結びつくようにしています。 研究結果をつらつら述べるのではなく、 どうしてそのように考えるのかがわかるように・・・ を目標に、なるべくわかりやすい展示を心がけてます。 が、正直、行き届いていない点が多々あります。 これは2000年の大きな課題。不可解な点はどうぞ お気軽に職員までお尋ねください。 日高山脈のすべてを見せます! 地質コーナーです。 ●登山関係● 現在、日高町内の山のご案内が主。 この夏は“山”で起こっている問題の紹介や、 生きた登山情報のやりとりも行いたいと いろいろ準備中です。 今裏でピックアップしているのが「山のトイレ」 「傍若無人のスノーモービル」 「高山植物の息の根を止めるな!」など。 山好きな方、何か情報をお持ちでしたら 山脈館にもぜひ教えてください。 ペンケヌーシ岳登山風景。楽しい山歩きができるよう、 私たちも心を砕いています。 ●その他展示物 高山植物のパネルや山脈のジオラマは大人に、 またクイズコーナーは子供に人気。先日図書コーナーも オープンしましたので時間つぶしにも最適です。 日高山脈のジオラマです。 内容の幅の割に狭いのがネックですが、 「生きた」博物館にするべく日々活動中です。 ぜひ一度お立ち寄りください。 ■入館=10時〜4時半(冬期間3時まで) ■月曜休館 ■入館料=大人200円、子供100円。団体割引あり、 日高町民は無料。 ■ホームページ:日高山脈館 ■E-mail:hmc@town.hidaka.hokkaido.jp または hidaka3@ruby.ocn.ne.jp ■tel&fax:01457-6-9033 私がやっている学芸員というのは、博物館を切り盛り していく人です。仕事の範囲がたいへん広いんですが、 人手が足りないのでとても忙しい場合が大半です。 ここの場合は、私と、お掃除や受付などをしてくれている パートさんが一人、あと、教育委員会にいて、設立前から ずっとメインで関わってこられた高橋さんです。 ここで高橋さんから一言。 えーと突然すいません。高橋です。 僕は出身は埼玉なんですけど、日本の南は与那国島から 北は稚内までまわって、北海道のある農家を手伝っている うちに、こっちに住みたいなーと思ってたら 日高町で雇ってくれて、今6年目です。 勤めた頃からこの博物館構想があって、 ずーっとなにもない状態からつくり上げてきたので、 思い入れは語り尽くせないほどあります。 ただ自分自身は学芸員ではないし、今は小野が中心に 切り盛りしてますんで、娘を嫁に出した心境ですね。 でも本心は「すべてまかせた!」ということではなくて、 ここを出発点にいろんなことを考えてます。 もともとこの町は札幌と帯広を結ぶ道路建設や 今は無き鉄道建設、水力発電のダムや水路建設、 そして豊富だった森林伐採といった開発行為によって 栄えてきました。博物館は破壊を続けてきたこの自然を 守っていこうよという願いをこめてつくりました。 僕自身、北の大地と森にあこがれてやって来た者ですから これ以上壊されていくのは見たくない。 でもこの町で暮らす人々の生活も維持しなくちゃいけません から、自然を活用した産業をこの博物館をきっかけに つくっていくぞというのが私の野望です。 日本では尾瀬や上高地、屋久島や西表など、 海外ではアルプスやアメリカの国立公園など。 よい面も悪い面もあるけれど、日高にとってどういう方法が 自然に負荷を与えない持続可能な利用方法なのか考え、 実践していきます。 北海道ってホントに開発重視の島なので、 たいへんな荒波が予想されますけど、 誰かが始めないと「ハゲ島」になっちゃうよ。 で日高山脈が好きな人たちでこの山の将来を考えていこうよ ということで、「日高山脈ファンクラブ」をこの5月に 立ち上げます。国籍・年齢を問わず日高を愛し 何とかしたいと思う方は誰でも入会できます。 我こそはと思う方は下記までメールくださいねー。 taken@pop21.odn.ne.jp 日高の好きなところ ●山 人にほとんど会わず静かな山を堪能できる。 クマよけにすずを忘れずに。 ●星 たくさん見える。星座はよくわかんないけど。 ●春 っていっても5月。桜と梅とこぶしの花が いっぺんに咲いて、新緑がたまらないほどきれい。 雪しかない世界から桃源郷にきた気分!? ●秋 新緑もいいけど紅葉もいい。広葉樹と針葉樹の織り成す 景色は一度ごらん下さい。 もちろん、冬には冬なりのすばらしさがあります。 −20℃の世界もたまにはいいもんだ。 でも毎日はやっぱり辛い。 僕の話はここまでです。続いて小野の話をお読みください。 ここで書き手交代。 で私の仕事といえば・・・ 1.受付に座ってチケットもぎり 2.そこで合間を縫ってHP作り 3.館内のご案内 4.裏の整理 5.研究者さんたちとの交流など 5番目、これは仕事って言うのかしら? 山脈館は“研究支援”をうたった施設でもあるので、 特に地質屋さん向けには機械類なども置いてあります。 これを利用してもらうべく、関係者に声をかけたり メンテナンスをしたりします。学生さんたちは 1〜2ヶ月くらい滞在してフィールド調査をする場合が 多いので、山脈館にも寄ってもらって、研究したり 息抜きしたり。こちらも楽しいひとときです。 6.配布物、出版物などの作成 これは今後本格的になる予定。 登山の際に役に立つような地図や小冊子。 展示をより詳しく解説したリーフレット。 研究者と一般の方を取り持てるような紹介冊子。 などなど、作りたいものがたくさんあります。 ひとまず形になってきたのが、広報『ごましお』です。 ちなみに、以前ほぼ日で掲載されていた 「アザラシのお姉さんです。」に、“月刊アザラ誌”が 出てましたね。あれはかなりのインパクトでした。 対抗しようとずっと頭をひねっていたのですが、 あれだけの名称はついに思いつきませんでした。 (結局『ごましお』になりました。斑れい岩や花こう岩など 沙流川でよく見かける石を「ごましおの石」って呼んでる からです) 7.おべんきょや研究 8.館内整備やらなんやら ほかにも、いろんな人たちとネットワークを作れるように 考えたりとか(先ほどの高橋さんの文章にあった ファンクラブなど)、なんだかこまごまと出てきて 終わりゃしません。でもいい仕事だと思ってます。 毎日楽しいから。 【ほかにもあるのよ、お勧めスポット】 ●汎針広混交林 要するに「針葉樹と広葉樹が入り混じって生えるところ」と いうことらしいです。人の手の入っている森は 針葉樹が固まっていることもありますが、天然林は確かに その通りになっています。日高町市街地から沙流川を遡って (つまり274号線を帯広方向へ向かって)日勝峠付近を 目指してください。周りを見渡せば“ああ、これだ”と すぐおわかりになるでしょう。この辺は 『沙流川源流原始林』として国の天然記念物に 指定されています。 新緑・濃い緑・紅葉とそれぞれすてきです。 冬は冬で、雪と針葉樹の緑と広葉樹の枝の混じり具合が またいいです。よく晴れた昼間に空とのコントラストを 楽しんでください。 山脈館詰めのもう一人(女性)と協議した結果、 以下の2項目が出てきました。 ●日高国際スキー場 道の駅・日高山脈館から歩いて15分、 車だと3分くらいでしょうか。 確かにニセコや富良野などに比べるとちんまり していますが、 ・待たずにリフトに乗れる ・斜度はそれなりにある ・晴れたらとてもいい眺め(夕張岳の方まで見える) ・駐車場無料で、車でスキー靴履いてOKな近さ ・正面の「日高高原荘」は改装したてでとてもきれい +温泉付き。 今のところお客殺到ということもないのでのんびりできる (これは町としては困ることなんでしょうけど)。 ●沙流川キャンプ場 炊事場・水洗トイレ・オートキャンプサイトが 完備されているという、沙流川に程近いキャンプ場。 お盆は人が殺到して、道向かいのビラパークにまで テントがあふれたといいます (それ以外の時期はそこまで込まない)。 スキー場の項に書いた「日高高原荘」が近いので 温泉に入れます。日高に来たらここに泊まると決めている 人もいるらしいので、割と使いよい所ではないでしょうか。 河原でぼーっとするのも、ぐー。 さらに、ほかの方にも話を聞いてみました。 ●加藤書店 道の駅裏手にA-COOPがあって、その向かいにあるのが 書籍・文具類を主に扱うこのお店。 ここのご主人は『「奥様は魔女」のダーリンに似ている』 (匿名希望氏、 20代男性)。 もし行ってもお顔を見てふきだしたりしないでね。 にてますか? ●日高アイス そういえば夏に調査に来た院生さんが力説していました。 セイコーマート脇の小屋(?)で販売されている ソフトクリーム。道内では各所でおいしいソフトクリームが 食べられますが、彼はここのソフトがいたく 気に入ったらしい。まだ食べたことがないと言った私に 向かって彼は「日高に住んであのソフトクリームを 食べないなんて!!」。一度お試しあれ。 そうそう、食べ物やさんも。 ●古母里(こぼり) 日高町市街地から日勝峠方面へ、車で15分くらい だったかな? ドライブインが数軒あるうちのひとつ。 おいしいのだけど、量が半端じゃない。 トラックの運ちゃんが多く来るせいでしょうか? 食べ盛りでない人は小ライスにしておいた方が無難かも。 ほかに、登山、渓流釣り、川遊び、森林浴など 自然と親しみたい人にはとても楽しい地だと思います。 それでは、日高町でお会いしましょう! 【おまけデータ:宿】 断りのない場合は1泊2食料金です (料金・連絡先は日高町作成のパンフより)。 ●お安くあげたい人は、こちらがおすすめです。 1.国立日高少年自然の家 食事代+シーツ代のみで、1泊1500円以下。 大人も利用可。 tel 01457-6-2311 2.沙流川キャンプ場 下記参照。5〜10月。 tel 01457-6-2922 ●それなりのところに泊まりたい人は、こちらへ。 3.ひだか高原荘 第3セクターのお宿。つい先日改装が済んだばかりで とてもきれい。温泉つき。和7,600円から、 洋8,600円から。 tel 01457-6-2258 ●旅館・民宿も数軒あります。こちらは詳しくないので、 ある人から聞いた一軒だけ。 4.松屋旅館 大きな浴槽があっていいんだとか。 そういえばトロン温泉という看板が出てます。 6,500円から。 tel 01457-6-2011 ●ほかにも、 ・小林旅館 6,500円から。tel 01457-6-2760 ・高砂荘 5,000円から。tel 01457-6-2225 ・ホテル日勝 6,500円から。tel 01457-6-2234 ・三朝民宿 素泊まり1,500円から。tel 01457-6-2062 ・ライダーハウスムーミン 素泊まり700円から。tel 01457-6-3044 などがあります。 この中のいくつかはこちらで外観写真をご覧になれます。 (小野昌子) 『ジモティーズ観光案内』ではみなさんからの 「おらが村、来てけろ!」メールを募集しています。 短くても長くてもいいですよ。 postman@1101.comまで、お寄せください。待ってまーす! |
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2000-03-25-SAT
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