「白いシャツをめぐる旅。」で
2015年の第1回からずっとおつきあいくださっている、
STAMP AND DIARY(スタンプアンドダイアリー)。
プロデューサーの吉川修一さんがひきいるこのチームは、
「日記をつけるように、たいせつな日々を暮らす」、
そんなライフスタイルをコンセプトに、
大人の女性のための上質な服づくりを続けています。
吉川さんはヨーロッパの服はもちろんのこと、
家具や建築などの文化全般にくわしい人。
年に何度も渡欧して彼らの生活スタイルを見て、
「あたりまえに、大人たちが、格好よく生きている」
というすがたにあこがれてきたといいます。
STAMP AND DIARYの服、ことにシャツは、
「定番的」と表現してもいいかもしれません。
シーズンごとに新機軸を打ちだし、
テイストをがらりと変えるという「表現」をする
ブランドが多くあるなかで、
吉川さんたちのように「かわらない」こと、
でも「ちょっとだけ、あたらしい」ものをつくるのって、
すてきなことだなあ、とぼくらは思っています。
STAMP AND DIARYを好きなかたがたもまた、
「気に入って、ずっと着ているから、同じかたちがほしい」
とおっしゃるかたも多いのだそう。
吉川さんは、そんなみなさんの声にこたえるべく、
「まったくおなじではないけれど、
2着目、3着目として、違和感がないもの」を
ラインナップに追加しているんです。
そんなSTAMP AND DIARYのことしのシャツは、
どんなふうにできあがっているのでしょう。
代表の吉川さんに、たくさん聞いてきました。
キャンディの刺繍のシャツ、
「刺繍のバックタックブラウス」。
ことしの「白いシャツをめぐる旅。」の
プロジェクトがはじまるずっと前から、
吉川さんは今回の生地を手配していたのだそう。
昨年からひきつづいての、刺繍のついた白い生地です。
「というのも、すごく時間を要する生地なんです。
北陸でつくっているんですが、
白い生地をつくってから刺繍加工に入るんですね。
だいたい‥‥半年くらいかな、
ですから、この販売を見据えて、
ずいぶん早くからオーダーをしたんです」
キャンディの刺繍がほどこされた生地は、
昨年、フレンチスリーブでつくった
ちっちゃい丸襟のシャツに使いました。
ことしは、長袖で、襟はレギュラーカラー。
とてもシンプルなかたちのシャツなのですが、
そこはSTAMP AND DIARY、
タックをつけることで、
よりフェミニンなシルエットに仕上げています。
シャツを選ぶときって、
正面からのかたちを見て、
お店で着用をしてみるときも
鏡に写った真正面の姿を参考にしますけれど、
STAMP AND DIARYのシャツは、
「横向きの姿」や「後ろ姿」がとてもきれいです。
「シャツを1枚で着たい時期は、これ1枚で。
上にカーディガンを羽織っていただいても、
脱いだときにすごくきれいなシルエットが出ます。
インにしても、出してもいいですよ」
後ろは、センターに大きなボックスプリーツがつき、
そこから用尺たっぷりに、左右に広がっていきます。
ヨークは広く、たっぷりめ。
肩甲骨のあたりからなだらかに裾が広がっていきます。
その裾は、ゆるやかにカーブを描きます。
刺繍は前身ごろだけ。
袖と後ろ身ごろには使っていません。
前ボタンのところは、比翼仕立ての隠しボタン。
肩はあまりドロップをしていませんが、ゆったりめ。
ぴったりに着る必要はありません。
袖はごくごく普通の長袖で、
しっかりみじかめのカフスがついていて、
剣ボロのつくりなどはいかにもシャツライクです。
そのまま長袖でもいいですし、
2回くらい折って着てもかわいいです。
スタンドカラーのおおきなシャツ、
「刺繍のスタンドカラービッグブラウス」。
つづいて、とっても身幅の広いかたちをした
スタンドカラーのシャツ。
吉川さん達が「ビッグブラウス」と呼んでいるこのかたち、
ディテールをかえながらシーズンごとに発表、
とても人気をあつめてきたかたちなんです。
ものだけ見ると、その縦横比から、
「丈がみじかいシャツなのかな?」
と思われそうですけれど、これ、丈はごくふつう。
身幅が広いので、そう見えてしまうんですね。
袖は八分。
ひじを隠して、腕先の細くなる部分あたりが見えるので、
かなりスッキリとしたシルエットになります。
腕先は、女性のからだで、いちばん細い部分。
そこが強調されるので、着ると華奢に見えるんです。
「うまく説明できる気がしませんが、
このシャツ、ほんとうにいろいろな体型のかたに
よろこんでいただけるシルエットです」
あ、そうか! 身幅の大きさや袖周りのくふうで、
小柄な方もかわいく着られるし、
わりとふくよかな方も大丈夫なシルエットなんですね。
「着やせして見える」と言ってもいいくらい。
バストや肩回りにちょっとお肉がついてきちゃったな、
っていうかたも、おしゃれにじょうずにカバーできます。
襟は、あったほうが「きちんと感」が出るので
デザインに迷ったところだといいますが、
あえてバンドカラーにすることで、
リラックス感のあるシルエットに。
こちらもキャンディ柄の刺繍の生地を
前身ごろだけに使っているのですが、
身幅が広いので、二の腕くらいまで刺繍のデザインが
ひろがって見えますよ。
後ろ身ごろは、ヨークなしですっきりと、
1枚の布がすとーんと落ちるようなシルエット。
ヒップがきれいにカバーできるよう、
後ろ身ごろが少し長めのデザインになっています。
大人の女性にこそ、のデザイン。
「刺繍のスキッパーブラウス」。
丸の中に、斜めだったり、
ギザギザだったり、縦横だったり、
ランダムに模様の入ったデザインの刺繍。
これは吉川さんがフィンランドに出張のさい、
アノニマス(名も無き)デザインとして
工業製品に使われていた意匠をヒントに、
オリジナルでつくったもの。
この刺繍の生地を使って、
スキッパーブラウスをつくりました。
前身ごろにその刺繍の生地を使い、
後ろ身ごろはギャザーをたっぷりとった
無地の布を使っています。
全体のかたちは、Aライン的です。
襟はちっちゃなラウンドカラーで、
大人の女性が着ると、
ちょとしたかわいらしさが演出できそう。
丈はほかのシャツにくらべてすこしみじかめで、
袖はドロップショルダー、
そのまま着ると7~8分くらいの袖になります。
「ヨーロッパのアンティークショップや
ギャラリーのオーナーの女性が着ているような、
こういった、大人の女性が着てこそ、
かわいらしさが出るようなデザインって、
とてもいいなって思うんです。
だから、服づくりのヒントをさがして、
ヨーロッパ、とくにパリでは
そういうお店を回ったりもしているんですよ」
チノのワイドパンツ。
さて! ことしもトップスだけじゃありません。
昨年も好評だったSTAMP AND DIARYのチノ、
ことしも入荷します。
ことしは「素材をグレードアップしている」
という吉川さん。
それも、ある生地と「出会ってしまった」ゆえ。
「生機(きばた)を見たときに、
これはレベルが違うぞって思ったんです」と、
プロデューサーの吉川修一さん。
スーピマコットンの60双糸(ロクマルソウシ)という
とても上質な糸を綾織りにし、染めをほどこしてから、
2段階の特殊加工によって、
はき心地よく仕上げたものです。」
それゆえに、チノですが、
かたさがなく、いい具合の柔らかさ。
ちょっとドレープ感も出る感じに仕上がっています。
色はカーキ。
夏に向けての白いシャツによく合う色です。
こんなラインナップを予定しているSTAMP AND DIARY、
これからの計画を訊きましたら‥‥。
「挑戦として、伝統的なブランドや、
新進のアーティストのかたと
コラボをしたいなと考えているんです」
たとえば、馬にかぶせるキルティングからスタートした
イギリスの古いメーカー「ラベンハム」とのコラボ。
また、同じくイギリスの
グラフィックデザイナーと組んでのテキスタイルづくり。
面白いなあ。吉川さん、いったいどうやって
そういうところを見つけてくるんですか。
「いやぁ‥‥たとえばそのグラフィックデザイナーは、
旅先でみつけたキッチンクロスがかわいくて、
これ誰がつくっているんだろうとお店に訊いたら、
コラボしましょうという話になって‥‥」
キッチンクロスがきっかけ!
「そうなんです。ぼくはファッションからっていうよりも
生活からっていうのを常に基盤に置いているので、
そういうものにすごく興味がありますし、
そういう流れでプロダクトを作っていければ
すごくSTAMP AND DIARYらしいんじゃないかって
考えているんです」
吉川さん、ますます「次」がたのしみです。
どうも、ありがとうございました。
(次回は「ニシカ」の紹介です!)
2019-04-02-TUE
INFORMATION
「ほぼ日ストア」ページで
ことしのコレクションを紹介するのが4/12(金)、
「ほぼ日ストア」と伊勢丹新宿店、
三越伊勢丹オンラインストアでの販売スタートは
4/24(水)からとなります。
また、ことしはジェイアール京都伊勢丹でも
販売を予定されています。
くわしくは、各店舗にお問い合わせください。
どうぞおたのしみに!
■ほぼ日ストア 「白いシャツをめぐる旅。」
2019年4月24日(水)午前11時より数量限定販売
■三越伊勢丹キャラバン
「白いシャツをめぐる旅。-見惚れシャツ―」
・2019年4月24日(水)-4月30日(火)
伊勢丹新宿店本館4階=センターパーク/ザ・ステージ#4
・2019年4月24日(水)-5月21日(火)
三越伊勢丹オンラインストア
・2019年5月8日(水)-5月21日(火)
ジェイアール京都伊勢丹 5階=スタンダード&モダン SPOT
■伊勢丹新宿店本館4階=センターパーク/ザ・ステージ#4では、
ほぼ日ストアでのラインナップと合わせて、
さまざまな「白シャツ」をご紹介します。
白シャツと合わせるチノパンや、カットソー、
肌着、バッグ、アクセサリーをはじめ、
「自分だけの特別な一枚」に出会えるシャツの
カスタムオーダー会も実施いたします。
※くわしくは、こちらをごらんください。
・BRAND
※一部、お取扱いのない店舗がございます。
James Mortimer
Ataraxia
HAND ROOM WOMEN'S
Scye
STAMP AND DIARY
yunahica
luxluft
GRANDMA MAMA DAUGHTER
MADISONBLUE
INDIVIDUALIZED SHIRTS
ERICK HUNTER
HITOYOSHI
nisica
BARBA
JAN MACHENHAUER
SOUTIENCOL
KENJI HIKINO
TAMPICO
mamelon
ciito
Souple Luz
AROMATIQUE | C A S U C A
HANRO