みなさん。 ↓こちらから、聴けます。
歌ができたときの そして、あれからおよそ1年がたちました。 糸井重里とわたしたちほぼ日乗組員は、ずっと 糸井は、まず、 「まず体力づくりからはじめます」 これから数回に分けて、 そこにあるものは、会場と、ピアノ。 わくわくしながら、お待ちいただければありがたいです。 |
アッコちゃんはさ、なにかと 「じゃあ、やるよ」っていう時期でしょ? そのすごみを、このごろ感じています。 |
|
そうかね? |
|
だいたいのことは「やるよ」と 引き受けている感じがする。 |
|
ただ、断れないだけのかな(笑)。 |
|
いや、違う。 少し前は「こんなことやんなかったよ」 ということも, いまはやってる気がするよ。 |
|
そうかなぁ? |
|
5年前とかに、 去年や今年の仕事を、やった? |
|
5年前に‥‥うーん、 やんなかったかもね。 「嫌でやらない」というより、 あんまり興味がなかったのかもしれない。 |
|
そうだよね。 |
|
自分のことに精一杯でね。 |
|
うん、うん。 |
|
このごろはなんでも、 「いいよ」「いいよ」と(笑)、 確かにそういうふうになってきました。 |
|
めぐり合わせ、ということもあるよね。 気仙沼の歌をつくってくれたのも、 気仙沼をすぐに訪れたのも、そうです。 だから、 「矢野顕子が来たらなにかがある」 という期待があります。 アッコちゃんにそれを、 最近ものすごく感じます。 |
|
あんまり自分ではわかってないんだけどね。 |
|
おれも、そういう時期なのかもしれない。 でも、アッコちゃんよりもっと慎重かな? |
|
慎重なの(笑)? |
|
うん(笑)。 |
|
ま、わたしはほら、 「出す」のが仕事だからね。 「そこで出してナンボ」というところが ありますので。 |
|
だから思い切りよくやれるのかもしれないね。 今回、気仙沼でワークショップをやるにあたって (このときは、まだ「稽古場」という言葉が 生まれておらず 「ワークショップ」という言い方をしていました) いちばん大切なのは、やっぱり 「なんでこれをやりたいのか」 というところだと思うんだけど。 |
|
そうねぇ。 やりたいことはね、 もう、これひとつだけです。 気仙沼の人たちも、遠くから集った人たちも、 「来てよかった、 ここに来なきゃこういうことなかったよね」 と、うれしくなってくれること。 |
|
うん。 しかもこれはワークショップだし、慰問じゃない。 |
|
そうだね。 |
|
「お客さんだけど、仕事してもらいますよ」 ということだってあるかもしれない。 気仙沼の人たちだって、遠くから来る人を 「もてなす」たのしみも、実はあるみたい。 |
|
そうなんだ。 |
|
そういう交流ができるといいなぁと思ってて。 |
|
それはとてもいいね。 でも‥‥そこで我々が なにができるか、ということなんだけども。 |
|
実は最初、矢野顕子がお料理つくっても いいじゃないか、と思ったんだけどね。 |
|
いいよ。 |
|
でも、やっぱりピアノがないとね(笑)。 |
|
こういうのどう? 「あなたも矢野顕子になれる」ってのは? |
|
あ‥‥! |
|
あったんだよ、こういう企画。 |
|
一同 | (笑) |
なんだか昔、俺が言い出した企画だって 聞いたんだけど。 |
|
そうだよ。 |
|
びっくりしちゃった(笑)。 でも、そのコンセプトはいまの時代でも 生きていると思いますよ。 例えば、18歳の若い人たちが、 みんな大学に行けるという社会よりも、 18歳も50歳も3歳もなく、 みんなが大学に行って たのしめるような社会のほうが、 子どもみんなを大学にいれることよりも 大事なんじゃないかな。 ピアノを習った覚えのない人が バンドで弾いたりするでしょ? |
|
うん、うん。 |
|
それは、音楽学校がこんなにいっぱいあって、 みんな入ってるんですよ、 というよりも、音楽的じゃない? |
|
そうねぇ。 でもさ、「矢野顕子」というもので どこまで一般の人たちを引っ張れるかは、 ちょっとむずかしいとこだと思うんだ。 誰でもができる、ノウハウでいけるところって あるにはあるんだけど、 それをわたしがやってみせるというのは すこし違うのかもしれない。 魅力を感じるもの、表現できること、 人によってそれは変わるから。 |
|
そうだね、ノウハウ的なものを やりたいわけじゃない。 アッコちゃんがやるとしたら、もっと、 音楽にまつわる、音楽の本質‥‥ 希望とかかな? |
|
そっちだね。 |
|
「だいたい、なによ、音楽は」 「なくたっていいじゃない」 矢野顕子ならそんなこと言い出す。 |
|
私ね、本来はみんな 自分の生活が音に囲まれていると思う。 音には楽音と生活音とがあって、 ふつう、音楽と言ったら、 それは楽音を扱うわけです。 つまり、メロディーの高低差が ある程度わかる音。 だけども、実はいろんな音を耳は聞いている。 生活の中で聞いてる音も 音楽の一部になるんですよね。 |
|
ほう。そういうことを 言葉でも、できないかなぁ。 |
|
あ、いいと思う。 | |
(明日につづきます) | |
2012-10-25-THU |