ほぼ日 |
「おいしさのつくり方」と
「糸井重里のつくって食べようおいしい野菜」の2冊を
<はじめて野菜づくりをする人に。>
向けて選んだ理由を教えてください。 |
上村 |
「だれでもつくれる永田野菜」では
素人だけでなくプロまで対応できる
51種類の野菜づくりのノウハウが詰まってます。
この通りに作れば、
おいしい野菜ができるんでしょうけど
そもそもはじめての野菜づくりですから
どれもはじめて聞くことばかり。
ぼくもそうだったのですが
永田農法とその他の農法との
作り方の違いがわからないのです。
だから、DVDを観る前に
「ここがポイントなのか!」とわかる本を選びました。
どちらの本にも諏訪さんが出てきますが
諏訪さんに気をつかって
この本を選んだわけではないですよ(笑)。 |
諏訪 |
それはどうもありがとう(笑)。
5年前に私は
「おいしい野菜つくっちゃいました」
という番組を糸井さんと作ることになって
永田農法に関する本をたくさん読んだのですが
ほとんどの本が
「水に沈むトマト」や
「糖度が高い」とか「栄養価が高い」といった
永田野菜そのものの特色について書かれているんだけど
実際の作り方となると
「水を極力抑える」「液肥を与える」というくらいで
その他は一般的な栽培に則した本が多くて
野菜の作り手としても
いまひとつ物足りないなあと思っていたんです。
だから、番組では永田農法の作り方にクローズアップして
「ここが特徴なんだ。」
「ここが他と違うんだ。」
とポイントを明確に引き出して紹介することにしました。
この「糸井重里のつくって食べようおいしい野菜」は
番組をそのまま本にしたものです。
こぐれひでこさんや小泉今日子さんによる
野菜づくりの体験ドキュメントや対談を通して、
「永田農法ってどういう農法なの?
どういう育て方をすればいいの?」
ということがざっくりと知ってもらえる
とてもわかりやすい本になっています。
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ほぼ日 |
この番組への反響が大きくて
「だれでもつくれる永田野菜」DVDを作ることに
つながっていったんですよね。 |
諏訪 |
ええ。そうなんです。
だからDVDの元ネタともいえる一冊ですね。
それまでは永田先生を取材する側も
本作りや番組作りの経験はあっても
野菜づくりの経験は無い場合が多いし、
永田先生に聞いても
「それはあたりまえなんです」
と煙に巻くようなおっしゃるし、
永田農法の特徴をうまくPRも出来てなかった。
この本以前と以後では永田農法の特徴への
クローズアップの仕方が違うと思います。
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上村 |
この本がいいところは
番組映像を元に作られているから
重要な手順を逃すことなく説明が入るところ。
水やりだけでも画像8枚を費やして
「このくらいびしょびしょにしてください」
というキャプションで伝えてる(笑)。 |
諏訪 |
この「びしょびしょ」が重要なんですよ(笑)
永田農法といえば「スパルタ農法」という
イメージがあるせいか、
水やりでもほんとに少ししか与えなくて、
枯らしてしまう人が実際によくいるんです。
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上村 |
もう一冊の諏訪さんの「おいしさのつくり方」は
「ほぼ日」でも一緒に販売してましたし
ぼくももっている本です。 |
諏訪 |
それもどうもありがとう(笑)。
ぼくは20年以上前から一般農法による
家庭菜園を作りつづけてきたのですが
糸井さんの紹介で永田農法にであってから
作り方や味の衝撃をうけて
それまで有機栽培をしていた畑を
全部、永田農法に切り替えました。
テレビ番組の取材は2〜3ヶ月の取材でしたが
1年かけて一反くらいある自分の畑を
永田農法にかえて検証してみたんです。
当時、DVD収録のために
永田先生の畑によく行ってたので
わからないことは直接聞くことができたし、
先生の畑で見て聞いたことを
自分の畑でもすぐに実践することができました。
そしたら素人のサラリーマンでも
本当においしい野菜が作れた。
「週末菜園でも永田農法で野菜は作れる」
と思っていたところに
たまたま出版社から話をいただいて作った本です。
特に家庭菜園や畑をかりて
永田農法で野菜づくりをしたいと思っているのなら
DVDとこの本の組み合わせがわかりやすいでしょう。 |
ほぼ日 |
諏訪さんと同じように
有機栽培から永田農法に切り替えようと
考えている人は本当に参考になるでしょうね。 |
諏訪 |
永田農法だとホントにおいしくできますから
ぜひ、試してもらいたいですね。
おいしくなった分だけ、
鳥獣との戦いも大変になりましたが(笑)。
そのあたりのことも書いてます。 |
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(つづきます。)
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