山田 |
じつはぼくは、いま、
永田農法の野菜を通販で注文して食べてます。
お米もね。
「この野菜に慣れちゃうのはどうかな?」
なんて思いながらも(笑)。
そうやって、少しでも需要が伸びれば、
ほかの農家の人たちだって
「じゃ、オレんとこもやるか!」と
思ってくれるかもしれない。
こういうことって、けっこう大事でしょ。 |
ほぼ日 |
買うことで支えるんですね。 |
山田 |
需要があればみんな、やるんじゃないかな。
風で、変われるんじゃないかな、きっと。 |
ほぼ日 |
永田先生が長生きしていらっしゃる間に、
風が吹けばいいんですが。 |
山田 |
いやあ〜あの人ねぇ、
けっこう長生きすると思いますよ。
まぁだ、まぁだ。 |
ほぼ日 |
どうしてわかるんですか? |
山田 |
わかりますよ。
あの人の脳みそは40代か、
50代くらいじゃないですか?
フランス映画の話とか、してましたからね。 |
ほぼ日 |
フランス? |
山田 |
あの人、フランス映画と
フランス文学が好きなんですよ。
そっちの勉強をしていた人なんですよ。 |
ほぼ日 |
なんとも、こじゃれた‥‥ |
山田 |
ハハハハ、あの時代にね!
完全に、はいからさんですよ。
それで、戦争に行かれて、
いろいろなことを考えたんだろうなと思います。
「いいことで闘いたかったな」と
「もっと世の中全体をよくすることに
命をはりたかった」
という思いが、
そのときにもできたんじゃないかな、と
ぼくは思います。
永田さんは、いったん死んでんですよね、
戦争のときに。
そういう人って、強いです。
(C)山田玲司/「週刊ヤングサンデー」連載中 |
ほぼ日 |
すごい方って、そういう人が、
多いですね。 |
山田 |
うん、ぼくなんか
会う人会う人、みんな一回死んでる(笑)。
「妖怪」です。
あのね、ぼくは、
過去って前世みたいなものだと思うんです。
だって、子どものころのことって
前世のような感じがしない?
過去の自分が、自分に思えなかったりするもん。
あのときの自分のことを言われても
オレじゃねえよな、という気がする。 |
ほぼ日 |
そういえば‥‥。
人は意外と
長い時間を生きるもんなんですね。 |
山田 |
20歳くらいの自分に会ったとしても、
「そんなこと、言うなよオレ!」
と言いたくなるくらい、
人間って変わるものだし、
ちがうものになっていくんです。
細胞も、6年くらいだったかな?、で
全部入れ替わる、なんて言われているわけです。
だったら、6年前のオレはもういないわけで。 |
ほぼ日 |
そ、そんな。 |
山田 |
永田さんなんかは、
ほんとに何度も死んでいて、
もはや前世になってるんですよ。
また、最近生まれた
ばっかりなんじゃ
ないかな? |
ほぼ日 |
‥‥そういう気がしてきました。 |
山田 |
でしょ?
耳は遠いとか、
そういうフリはするかもしれないけど! |
ほぼ日 |
ハハハ。 |
山田 |
人間っておもしろいもんで、
きっと年をとると、
省エネで生きてくコツを
つかむんでしょうね。
若いころって、むだなことが多いでしょ。
女の子とか、
ピョンピョン跳ねてんじゃん、
跳ねなくていいのに。 |
ほぼ日 |
はい(笑)。 |
山田 |
それが、ゆくゆくは歌舞伎鑑賞で
「すてきよねぇぇ」と言えるようになっていく。
ああやって、人間って、
おなじ「感激」という分野ひとつでも、
省エネになって
生きていけるようになるんじゃないかな。
永田さんは省エネモードで
いろんなことに対処してらっしゃるけど(笑)、
あれは省エネモードで生きているだけで、
中身は、ぜんっぜん! まだまだ! |
ほぼ日 |
そうか、あれは省エネモードだったんですね。 |
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(つづきます!) |