本読む馬鹿が、私は好きよ。

電車のなかで本を読んでいる人を見つけると、
何を読んでいるのか知りたくなります。
自分は読んでなかったけれど、
たくさんのファンのいる作家については、
「どういうふうにおもしろいの?」って聞いてみたい。
読みたい本が増えるのって、うれしいことだから。

どうぞ、この作家をよく読んでいる読者の皆さんは、
「ほぼ日」の読者に、そのおもしろさを伝えてください。

ほのぼのとおいしいものがたべたくなったり。
しみじみと泣いてみたり。


ほぼにちわ。モギモギコです。
ズビバゼン、長らく更新をサボりましたね。
わたくし。
川上弘美さんとdarlingdarlingの対談
『男女が同居するということ。』
連載もあったことですし、
川上弘美を推す、もじゃんじゃん進めて参りましょ。
現在のワタクシの読書生活は、MOTHER2をやりながら、
どうしても先に進めなくなったときとかに、
ふてくされつつ、本をよむという、なんとも
スモールな時間でやりくりしております。
一向に話が先に進みません
(MOTHER2もすごいもたもたしてるけど)。

じゃ、早速。
いまのところ、いちばんメールの数が多かったものから
いきますか。

おおかたの予想のとおりかとおもいますけれども、
『センセイの鞄』がいちばん人気でした。

センセイの鞄
川上 弘美 (著)

価格:¥1,400
単行本: 277 p
サイズ(cm): 182 x 128
出版社: 平凡社
ISBN: 4582829619




はじめに読むとしたら
「センセイの鞄」はいかがでしょうか。
川上さんの作品にはすべて
「悲しみをふくんだほのぼの感、しみじみ感」が
あります。
リアルな生活感とも言えます。
設定は現代のはずなのにノスタルジックな、
なんとも言い様のない懐かしさがあります。
老境に差し掛かった教師と元教え子が
偶然居酒屋で再会し、
じわっじわっと恋愛に突入していく過程のおはなしです。
女ひとりでお酒を飲む場面がよくあるのですが、
酒の肴の描写が絶妙です。
季節にあわせたいいつまみが出てくるのですねー。
酒のみの人は
「うんうん、私も、それ、今、注文しようと思った」
と頷きたくなるつまみです。
もし、あなたが女性で、
ひとりでお酒を飲みに行く習慣のある方でしたら
(行く店がBARではなくてこじんまりと
営業しているカウンターのある居酒屋)
おもわずにんまり、
「今晩はそれをつまみに一杯やるかー」と
思うこと請け合いでしょう。
個人的に小説の中の食べ物の描写が気になるほうで、
口に入るものだけに生々しく、
あまりにとんちんかんなものが出てくると
リアリティが急になくなるのですが、
川上作品にはそれがありません。
女性でひとり飲みを愛する方、必読の作家さんです。
(まんぷー)



やっぱり、なんと言っても「センセイの鞄」でしょう。
久々に、読んでいる途中も、読み終わっても、
しみじみと泣けた本でした。

最後にセンセイの鞄を渡されるところよりも、
私は、2人が旅に出た晩、
ツキコさんが何度も廊下を往復している場面、
そして、センセイの腕の中で子どもみたいに
眠りに落ちる場面に、なぜか涙が止まりませんでした。
(シルク)



『センセイの鞄』を推します。
『溺レる』『蛇を踏む』は
もうひとつハマれなかったのだけど
(もっとハマりたかった)、
『センセイの鞄』はよかったです。
センセイとツキコさんの関係もいいし
(あこがれるなあ)、
ツキコさんに自分の友だちを重ね合わせて
読んだりしました。
重ね合わせた友だちに勧めたいと思いながら、
今もちょっと迷っています。
最後は(私には珍しく)泣いてしまった。
(モク)



小説のなかに出てくるものがどうにもたべたくて
たまらなくなる時がありますよね。
たしかに、『センセイの鞄』に出てくるものは
おいしそうなんですよねえ。
いままた、読み返して、すごくおなかがへりました。

今晩の夕飯を考えつつ、
のんびりと読んでみてはいかがでしょうか。

みなさま、他に川上弘美さんの本は読みましたか?
ぜひ、オススメの1冊を紹介してくださいませり。
アドレスは、yomu@1101.comです。

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と書いて
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2003-06-29-SUN

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