太宰治と森鷗外
──文芸雑話

  • 時間

    122
  • 音質

    予定時間を30分オーバーするほど
    熱のこもった講演。
    音源は主催者提供だが、
    残響音が入っており、
    特に冒頭約1分間は聞き取りづらい。

  • 講演日:1975年7月18日
    主催:文京区立鷗外記念本郷図書館
    場所:文京区立鷗外記念本郷図書館
    収載書誌:弓立社『吉本隆明全講演ライブ集 第10巻』(2005年)




太宰治というのは短編の名手なのですが、
太宰治の短編小説に
非常に大きな影響を及ぼしたと考えられるものは、
作家とばかりはいえないのですがふたつあると思います。
ひとつは落語で、
近代落語の伝統は三遊亭円朝から
はじまるわけですけれども、
落語の影響は非常に大きいと思います。
落語の影響というのは、たとえば
どういうふうにあらわれてるかというと、
太宰治の短編のなかでは、
落語の落ちが非常によく使われていて、
太宰治が一生懸命まともに落語をよく読んで
話したと考えられます。
もうひとつは、鷗外の短編、
といいたいところですけれども、
鷗外の訳した短編小説があります。