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時間
68分
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音質
第一回緑陰講座
「親鸞・不知火よりのことづて」
と題して行われた講演。
音源は客席から録音されたもので
音質はあまりよくない。
冒頭部分にはテープノイズあり。 -
講演日時:1984年6月17日
主催:武蔵野女子学院
場所:武蔵野女子学院・紅雲台大広間
収載書誌:春秋社『未来の親鸞』
(1990年)
講
演
よ
り
親鸞の声はこういう声だったといって、
音声を再現しようということではないのです。
親鸞の語った言葉が、仏教で考えられている「声」として、
どんな意味を持っていたのだろうか、
できるだけお話ししてみたいのです。
東洋の思想とか宗教の最後の到達点は、どうも、
自然に対してどこまで近寄ることができるか、
あるいは心を研ぎ澄ましたとき、
「自然の声」や自然がしゃべっている言葉が
どこまで聞き取れるかが、
どこまで修行を積んだかの大きな眼目に
なっていると思われます。
これに対して、親鸞の声はどういう
「声」なんでしょうか。
根本的にいいますと、親鸞という人は、
「天地自然の声」を聞き、
そしてそのなかに心を同化させることができるようになる
ことが修行の眼目だという考え方を、
否定してしまったと思います。