続・日本人の死生観

  • 時間

    56
  • 音質

    北海道で行なわれた
    連続講演の2日目。
    非常に少人数で行われた講演。
    音源は主催者提供。

  • 講演日時:1986年11月17日
    主催:北海道滝川市 月曜談話会
    場所:滝川市・ホテル三浦華園
    収載書誌:未発表




「人間は必ず死ぬ」といういい方と、
「私は必ず死ぬ」といういい方とは、
同じように見えて違います。
「人間は死ぬ」ということは
大雑把にはいえそうに思えるけれども、
「私は死ぬ」ということは私にはよくわからないはずです。
そういうことに関連して僕はいま、
「死に瀕したときからはじまる文学」をやっています。
死に瀕した人が快復して治ったという
体験を集めてみたのです。
死に瀕して生き返った人の体験談には、
「お医者さんが人工呼吸をしてみたり、
看護婦さんが慌ただしく出入りしたり、
近親の人が悲しそうに叫んでいるとかいうのが
部屋の2メートルぐらいの高さのところから見えた」
ということがほとんど例外なしにあります。
それはいったい何なのだろうか、
という問題があるわけです。