宮沢賢治を語る

  • 時間

    114
  • 音質

    客席から録音されているため
    周辺のノイズが入っているが
    比較的クリア。

  • 講演日時:1990年2月10日
    主催:朝日カルチャーセンター
    協賛:コニカ生涯学習セミナー
    場所:津田ホール
    収載書誌:弓立社『吉本隆明全講演ライブ集 第8巻』(2004年)




宮沢賢治はたいへんな農業科学者ですが、
「来世が存在するということを
科学者として信じることができたのか」
ということが問題です。宮沢賢治という人は、
そこで思い悩んだと思います。
自分の抱いている宗教観と、
科学者として身につけている
自然認識や物質についての認識、農業についての知識が
どこかで一致する点はないか、
どこかで一致させることができないだろうかと
本気になって考え、本気になって悩んだと思います。
そこの問題が、宮沢賢治の文学や芸術と、
宗教思想との関わり方を決めていく
大きな問題になったと思われます。