中原中也・立原道造
──自然と恋愛

  • 時間

    210
  • 音質

    「近代文学館・夏の文学教室」
    での講演。参加はこれで7年目。
    この年の総題は
    「日本文学の100年
    ──恋愛をめぐって」。
    音源は主催者提供。
    非常にクオリティーの高い音質。

  • 講演日:1996年7月24日
    主催:日本近代文学館 後援・読売新聞社
    場所:有楽町・よみうりホール
    収載書誌:弓立社『吉本隆明全講演ライブ集 第16巻』(2007年)




僕らが中原中也と立原道造、
両者を古典として保存するのはなぜかというと、
決して大詩人であるとか、
大ロマンを持っている人だというのではありません。
そういう意味ではマイナーな人ですが、
しかし、天才としてのどん詰まりを持っています。
天才としての道を、行き詰まったところまで、
とことん行ったということは、
詩の作品のなかにちゃんとあります。
自分はできなくても、
しかしこういう人がいるということは、
われわれの希望をどんなに助けるかしれないことなのです。
天才ということを、少なくとも僕らが文学、
芸術において保存して、
なかなか滅ぼさないのは、そのことなのです。