「世界よわいの会議」
~よわいかも座談会~

 



『よわいかも座談会』
第1弾 糸井重里さん
連載 第6回め

ソブエ「…そういえばさ、
    こないだ髪切ってもらったとき
    床屋さんが『できました』って
    鏡見せてくれたんだけどさ、
    薄い頭頂部がちょうどぼくからは見えない
    角度で映してくれたんですよ。
    それって、気が利いてるようだけど
    …どうなんだろ?って」
イトイ「ソブエさん、これからいくって思ってる?
    くい止めるって思ってる?」
ソブエ「いく?? 食い止める‥‥?」
イトイ「薄くなっていくんだ、どんどん
    …って思ってる?」
ソブエ「うん、やっぱり
    どんどん薄くなっていきます」
イトイ「それは覚悟をしてるの?
    してないの?」
ソブエ「とっても、覚悟してますよ」
イトイ「…してる(笑)」
ソブエ「でも、なくなっちゃったら
    それはそれで しょうがないものね。
    くい止めようとは、思ってないです」
イトイ「坊主にする気はないの?」
ソブエ「う~ん、坊主にするとね、
    教科書に載ってる宮沢賢治みたいな
    そんな顔になっちゃうんですよー」
MM 「…そうだね~」
イトイ「他人から見ると、
    坊主にしたソブエさんって、
    悪くないよ」
ソブエ「え! そう?」
MM 「うん、うん、うん」
イトイ「宮沢賢治、OK」
ソブエ「でも、それって暗くない?」
MM 「…きっと、すーごいナマクラな
    修行僧みたいな感じも出るよね。
    肉食べてま~す、みたいな」
ソブエ「わはは、だったらいいかも。
    賢治よりは、なまくら坊主がイイ!」
MM 「あ、でもね、ソブエさん、
    …最初に会ったときから、
    だいぶ進んでるよ」
ソブエ「しぇ~~~!」
MM 「それはね、つくづく最近思う」
ソブエ「…つくづく 思わないでよ~」
MM 「これからもずっと上がると思うのね。
    で、ソブエさんには、ぜひ、
    脇の髪はずっと伸ばして、
    それで上がってもらいたいわけ」
ソブエ「しぇ~~!
    そういわれてもな~。
    …っていうと全体に黒のバランスが
    後ろにいくって感じかな?」
MM 「そうそうそう。
    …そういう人、いる…」
イトイ「…水木しげるの世界に」
MM 「ソブエさんは、それしかないね。
    ここは、もうパッカリ。
    あの、何て言うんだっけ?サカムシ?」
イトイ「月代(サカヤキ)」
MM 「うん。あれみたいに、キレイに開けとくんだよ。
    今までのおじさんは、
    それをバーコードにしてたじゃない?
    あれもなしで!」
ソブエ「…バーコードだったら
    水木しげるとか
    サザエさんの波平とかのほうがいいなぁ…」
MM 「新しい生き方だよ!」
ソブエ「新しい生き方? 
    …なんだか勇気の出る言葉だね。
    う~~ん。…でも、なんだかなぁ~」
イトイ「じゃあ、ソブエさん
    ‥‥チョンマゲだ!」
MM 「チョンマゲ?! いいかも」
イトイ「全部、後ろ長くして、
    ここを月代として…」
MM 「そうだよ。ナチュラルな月代」
イトイ「不自然でないチョンマゲ、っていう(笑)」
ソブエ「…不自然でないチョンマゲ?」
MM 「いいよ~」
イトイ「で、ぜんぜん武士とかそういうのに
    興味ないのに、チョンマゲ」
MM 「武士だとしたら、絶対傘を張ってそうだよね」
イトイ「当然」
MM 「いいかも、いいかも」
ソブエ「…それ、イイかも!」

(来週こそ水曜日に、つづく)

ソブエMM 注
:まにあわなかったので
 今日は、予定を変更して対談でした!


2003-08-12-TUE

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