ソブエ「髪が薄いよわさって
よわさとしては、かなりシンボリックなんだけど、
読者からのメールってさ、
まだ1通もきてないよね」
MM 「女性からの投稿が多いからね」
イトイ「65%が女性だったんですよ、ウチ。
大アンケートしたら」
ソブエ「なるほど〜。
…掲載しなかったけど
『髪が多くって美容院に行くのが申し訳ない』
っていう、ぼくにとってはうらやましい
よわさは、来てたんだけどね〜」
イトイ「確かに、男臭くないからね、ウチね」
ソブエ「『世界よわいの会議』に届くメールは、
9割がた女性ですよね」
イトイ「それを探して、きてる人もいるからね」
ソブエ「そうですね〜。
でも、女性でも、ハゲで悩んでる人って、
いますよね」
イトイ「いるよ。部分カツラとか」
ソブエ「あと、女性なのにヒゲが濃いとか…」
イトイ「それ、は、いないんじゃない?」
ソブエ「ぇ? いるんじゃない…???」
MM 「身体的な悩みって、
扱えてハゲまでだと思うんだよね。
そっから向こうは…」
イトイ「そうだね。
その人にしか わからない世界にいくからね」
MM 「そうそう。とくに女の人はね」
イトイ「男前か そうでないか なんていうのは、
ぜんぜんOKだよね、男たちはね」
ソブエ「男は、けっこう大丈夫。
勘違いのまま生きてゆける強さがあるね」
イトイ「若い男は、もっと強く自分を男前だと
思ってるじゃないですか」
MM 「はいはいはい」
イトイ「あのときのよわさって、あるよね。
あの、ソブエさんも、一時は思った?
俺は男前だって」
ソブエ「思ったですとも!」
イトイ「俺も思った。
で、そういうときって、自信がないのよ。
逆に言うと」
ソブエ「うーん、なるほどね」
イトイ「例えば、誰かのことを
俺が好きになったとするじゃない。
そうすると、どうしたら男前に見えるか、
っていうことについて、ドキドキしちゃうわけ。
だから、辛い」
MM 「はあ」
イトイ「そのままいられないわけだから」
ソブエ「若い頃は、けっこう、考えましたもん。
髪の薄さのめだたない立ち方とかも。
…なるべく逆光であろうとか」
MM 「なるほどね」
ソブエ「…なるべく風は後頭部に受けようとか
…顔の角度は、右からと左からと、
どっち側がいい感じに見えるかなとかね」
MM 「すごーい!」
イトイ「アートディレクション!」
MM 「でも、どうでも…い…い」
ソブエ「今となっては、
かなりどうでもいい世界なんだけど、
当時は、真剣だったんだから!」
MM 「あの、周りから見えるさ、
素通しの穴じゃないんだよね。
ぜんぜん土の中なんだよね」
イトイ「本人には、だから、あからさまなわけですよ。
だから、利口そうに見えたいっていうのも、
おんなじですね。ここでバカにされたら、
やっぱりマズイんじゃないかって」
MM 「どうして、こう、こうありたい
…って思うんですかね。いろんな意味で」
イトイ「…大損したよね」
ソブエ「わはは。そうかも!」
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