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ほぼ日刊イトイ新聞

2025-04-19

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・「そこは勝ち負けじゃない」という場面で、
 けっこう「勝ち負け」のつもりでがんばっちゃう。
 若いときには、そういうことも多かった。
 若いときとかじゃないな、年齢よりも、んー、なんだろう? 
 「勝ち負け」にしないとつまらないのかな。
 それとも、負けたら大変だと思いすぎているのかな。

 いまになってみると、「勝ち負けじゃない」ことって、
 ものすごくたくさんあるんだよね。
 「ほんとうに負けるわけにはいかない」ときも、
 「勝たなきゃいけないぞ」というときも、ある。
 逃げたくても、そういうことはあるものだからさ。
 「そこは勝ち負けじゃない」というところでは、
 なんなら「勝ちをゆずる」くらいがいいんじゃないか。
 「勝ち負け」を、ゲーム(遊び)としてたのしむ場合は、
 そりゃぁ一所懸命にやったほうがおもしろいからさ、
 がんばったほうがいいよ、「みんなの遊び」なんだから。

 ついでに言えば、「負け」も「当たり」なんだよなぁ。
 いや、その、「ハズレ」かもしれないんだけどさ、
 けっこう次の次の次くらいの場面で、
 あの「負け」のおかげで「当たり」がきたんだ、
 というようなことはあるからね、ほんとにある。
 しかも「大当たり」さえもあるものだからね。

 「言い争い」みたいなことを、
 ひっきりなしにやってる人もいるじゃないですか。
 見知らぬ人と、「ことばのケンカ」「言い争い」。
 ああいうの、最終的にはどっちも勝てないよね。
 「負けてない」って言うだけでいいんだもの。
 ゲームにもならないはずだよね、ルールもないし。
 「おれのルールでは勝ちだ」と言い合いになるだけだ。
 ゲーム(遊び)にもならないし、
 勝っても負けても、だれにもいいことなさそうだけど。

 と、ここまで書いていて、突然思い出した。
 漫画家の上村一夫さんが、酒を飲みながら
 「イトイさん、恋愛は勝ち負けじゃありませんから」
 と微笑みながら語ってくれた。
 あれは、だれに言ってたのかな、もしかして?

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
取材とか対談とか座談会とかも、勝ち負けじゃないですよ。


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