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鯨井さんに助けてほしい!
ライフセービングの世界チャンピオンのこと、
知ってましたか?
クマちゃんの記事担当のタケモトくんが贈る、
男の世界・第2弾!

鯨井保年という男がいる。 男前だ。確かに男前だ。
それでいて世界チャンピオンだというのだから
神様は不公平だ。
砂浜に寝転がって、急いで起き上がって旗を取り合う競技の
チャンピオンだという。ビーチフラッグっていうらしい。
『筋肉番付』で見たことがあるぞ。

何を隠そう、彼はライフセーバーだ。
ライフセービングとはオーストラリアで
発祥した水難救助活動で、
オーストラリアやアメリカでは
地方公務員の地位と資格が与えられ、
尊敬を集めている。

日本ではどうか。

例えば海水浴場で「危険ですよ」と注意をすると、
「何でアルバイトの兄ちゃんに怒られなきゃならんねん!」
と文句を言われることが多いらしい。
鯨井さんがアメリカに行ったとき、
向こうのライフセーバーに
「日本は海に囲まれているから、
ライフセーバーは人気商売だろ?」
と聞かれ、返事に困ったという。
日本のライフセーバーはわずかに3500人。
人手の足りない浜も多いらしい。
大丈夫か?日本!海に対する認識が足りないんじゃないか?

世の中はこれから夏になる。海のシーズンだ。
ライフセーバー・鯨井さんからのお願いは

1)準備運動をしっかりする
2)お酒を飲んだら泳がない
3)ゴミは出したら持ち帰る

ということ。(1)は小学校でも習ったことだし、
(2)は危険度を考えたら当然。
酔っ払いは何回注意しても、
海に入って潮に流されることが多いそうだ。
(3)も当然。ライフセーバーの仕事はゴミ拾いに始まり、
ゴミ拾いに終わるそうだが、
そんな事をしなくても、奇麗な浜であって欲しい。
なんでイチジクカンチョーがおっこってんだ!

ライフセーバーは救助員であるが、
『救助する』ということは、
とても不名誉なことだという。
救助ゼロがライフセーバーの目標だ!
ライフセービング大会というものがある。
ガケから人を突き落として、
誰が1番最初に助けるかを競う!というわけではない。
救助技術を向上させるために、
競技という形にしたものである。
ラン、スイム、パドリング、サーフボード。
またそれらを複合したものなど、様々な競技がある。
オーストラリアでは国技として抜群の人気があり、
全豪大会のレベルは世界大会よりもはるかに高い。
「外国人の入賞はまず無理だろう」という評判のなか、
鯨井さんはビーチフラッグ部門に出場。
94年に3位、95年には2位に入賞。
「オー!カンガルー!オペラハウス!」
とオーストラリア人は驚いたという。

世界大会では94年、96年と2連覇!
日本国内の大会では8年間無敗だ。
あまりにも強いので
「鯨井は競技指向で
ライフセーバーとしての心をなくしている」
と陰口を叩かれたこともあるが、
「だったら、もっと勝ってやる!」と奮起した。
競技技術が向上すれば、救助技術も向上する。
実際に事故が起きたときに必要な肉体と
精神力が身に付くというワケ。

余談だが、公園の砂場で練習をしていたら、
ジャージが猫のフンだらけになってしまったこともある。

将来は俳優になりたいという鯨井さん。
現在も時折テレビで見かけるが、
競技で勝ちつづけることも、
テレビに出ることも、すべてはライフセービングの
普及のためだという。
「鯨井さんに助けてもらえるなら、溺れてもいい。
死にかけて人工呼吸なんてしてもらったら、最高!」
と思っている女性がいたら、止めたほうがいい。
鯨井さんがどこの砂浜にもいるとは、
限らないから。いや、マジで。

決勝

興味をもった方は、下記まで御連絡ください。
日本ライフセービング協会
東京都港区東新橋2-13-9 KMビル2F
電話03-3459-1445

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1998-07-17-FRI

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