糸井重里
・人に会って話をする機会が、たぶん他の人よりも多かった。
よく知ってる相手もいるし、少しだけ知ってる人もいるし、
ほとんど知らない方とも会うことはある。
事前に相手のことを調べて、どんな話をするのかについて、
まったく考えないということは、さすがにない。
しかし、「よく調べる」ことと「よく考えて準備する」
ということはしないようにしている。
「よく」何かを準備するのも、したい人はすればいい。
ただし、その膨大な準備を「むだにしてもいい」という
覚悟があるなら、という条件付きだ。
道筋をつくりすぎると、ぜったいにおもしろくない。
人と人が出会うというのは「いきもの」が生まれる場面だ。
おたがいが、それぞれわかりきったことを
代わる代わるにしゃべりあったとしても、
なにかが生まれることはなかなかむつかしいし、
だいたい、話している最中がおもしろくない。
「勉強になる」ということはあるかもしれないけどね。
おたがいに、ちょっと新しい発見が生まれることが、
なによりおもしろいのだろうと思う。
ぼくは、こんな会い方について相手に説明したことがある。
外国の初対面の人と対談するときに、
「たまたまバーのカウンターで、席が隣になった人どうし」
みたいに話しましょうか、と話しはじめた。
多少の知識はありながらも「どこから来たんですか?」と、
あらためて聞くのも、バーのお隣さんならあり得ることだ。
こんなこと、ずっと繰り返して、いまのぼくになっている。
それはそうと、この元「今日のダーリン」で書くこと、
だれに向かって、どういうことをしているんだろうね?
なんかの店のおやじが、近所のお客さんに、
「最近、なんだか花粉が飛んでるけどさ…」みたいに、
立ち話をしているようなものなのかもしれないね。
どの種類の焼き芋がうまいとか、いいマンガがあったとか、
ときには、真顔でしかつめらしいことも言ったりしてね。
◆今日の質問はno.062「最近、なんかいいことあった?」。
あってもなくても、立ち話。メールで教えてくださいな。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
思うように行かないときは、その「思うよう」が怪しいかも。
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