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ほぼ日手帳

糸井重里

・子どもというのは、「おかしなこと」を考えるもので、
 そういう「おかしなこと」は、それはそれで、
 後のじぶんのこころの栄養にもなっているのだと思う。

 いまさらだから正直に言うが、
 ぼくはプロ野球(特に巨人軍)のスカウトが、
 ぼくを見ている可能性について、注意を払っていた。
 利根川の川原で橋脚に向かって石を投げているとき
 (いちおうピッチングの練習のつもり)には、
 特に気をつけていた。
 「まったくないわけじゃない、可能性はゼロじゃない」
 という場合は、「あり得る」と考えるのが子どもである。

 固い土に、蝋石(ローセキ)で絵を描くことはよくあった。
 ある程度の面積をしつこく塗っていると、
 地面がつるつるに防水加工されたようになる。
 ある日、雨の降るなかでそういうことをやっていて、
 「このつるつるのところには、雨が降らない」
 ということを「発見!」してしまった。
 世紀の大法則を、どういうふうに言っていいかわからず、
 このことはだれにも話してない。70年ほど、いまだにだ。
 秘密を守り続けたおかげか、ぼくの発想には、
 ときどき「防水の表面は雨がかからない」というような、
 倒錯した考えがまぎれこむことがある。
 「防弾チョッキには、弾丸が当たらない」とか、
 そんなふうな大ハズレの考えである、これは個性だ。
 ところで、蝋石は密林通販で買えることがわかったので、
 さっそく注文してみた。
 娘の娘にあげようと思うのだが、要らないんだろうな。

 「発明」をテーマにした本が大好きで、
 いつでも発明をする気がまんまんにあった。
 三年生のとき同級生が「発明コンクール」で賞をもらった。
 あきらかに、彼のおとうさんがつくったものだった。
 くやしかったけれど、そういうことも言えなかった。
 そのくやしさをバネにしてがんばることも、なかった。
 そのわりには、ずっと憶えていて、ぜんぜん忘れてない。
 子どもというのは、「大人の素」だよなぁと、いま思う。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
子どものころについた嘘も、あんがいずっと忘れていない。

昨日のコラムを読み逃した方はこちら。

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