糸井重里
・阪神の優勝も決まって、まずは野球が終わったねー。
なんだったんだろうな、いろいろあったけど、
巨人の監督がある日突然やめることになっちゃって、
あんたやりなさいって言われた人、どえらいことだよね。
「わたくしなんかが…」とか謙虚なことも言ってられない。
「闘志」の大事な職業野球のチームだからね。
たいへんなことだったと思うよ、いわば復興の年だった。
厳しい境遇から立ち上がりどう戦い抜くか、の日々だった。
終盤になって、優勝戦線に生き残っていたなんて、
もう十分過ぎるほどの健闘だったと思うよ。
もちろん、欲を言えばキリがないんだけどね。
・「我々は宇宙人」の二回目を見に行ったよ。
映画を何度も見るなんてこと、ほとんどなかったのに、
「ちいかわ」でクセがついちゃったのかなぁ。
「つくった人たちが、こんなところまでやってる」という
精魂込めた手仕事を、受けとめてみたいと思ってるのかな。
で、二度目はまたよかったよ、やっぱりすごい。
熱心さとか、ていねいさとか、センスとかが、
いたるところに表現として残されているからね。
それを発見しに行くという感じだったのかもしれない。
大理石の壁にアンモナイトの化石を見つけるみたいにさ。
もうねー、アンモナイトだらけですよ、この映画。
そして、大きな意味で、ぼくは「肯定」の物語だと思う。
かつて、映画のキャッチコピーで「生きろ。」ってのが、
あったじゃない? あれ、またここで使いたいような。
ぼくは、そういう気持ちになったな。
最後のシーンなんて、ついに、涙が出ちゃったもの。
・人がなにかを思ったり、なにかを言うのは自由だけれど。
自由だからと、ひどいことも思ったり言ったりもする。
それは、どこかの片隅の人の目にふれないところだったら、
泡のように生まれては消えてしまうだけだったろうが、
いまは、路地の落書きも、人の目に見える発信だからね。
ウソも中傷も口汚い悪口も空気中に飛んでいくんだよね。
知らず知らずのうちに、ぼくらも吸い込んでしまうんだ。
◆今日は質問no.061「白い紙になにを書きますか?」です。
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