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ほぼ日手帳

糸井重里

・太陽のことは、みんなが知っている。
 人間にとって、いちばん有名なのは太陽じゃないか。
 それはそうだ、とても遠くなのに毎日顔を合わせている。

 日本の人は太陽のことを「おひさま」と呼んで
 親しんだり、ありがたがったり、敬ったりもしている。
 太陽のおかげで、太陽のせいで、ひっきりなしに、
 あんなことやこんなことが起こっている。
 太陽からのエネルギーで、生命は成り立ってきたし、
 太陽との関係で年月も毎日も存在している。
 大昔から、いや、もしかしたら人類の歴史より前、
 たぶん類人猿やらの時代から、
 太陽のことは特別な何かとして考えられ、
 畏怖されたり、崇められたりしてきたのではなかろうか。

 地球に人類がいられるのは、いつまでだろうとか、
 未来への危機感が語られることが多くなっているし、
 他の惑星に引っ越しするとかしないとかも語られる。
 だけど、そういうことのまだまだ先もあるわけで。
 こうなると、数字を使った遊びにしかならないんだけど、
 この先、50億年後あたりになると、
 核融合で光っている太陽の、中心部の水素が減りはじめて、
 太陽は急激に膨らみ「赤色巨星」になるのだそうだ。
 いまの100倍くらいの巨大な星になって、
 おそらく地球も飲み込まれてしまうであろう、と。
 「おひさま」とかのんびりしたこと、言ってられないっす。
 人間が逃げようが滅びようが、なによりも、
 地球も火星も生きられてないんだから、どうしょうもない。
 いや、笑っちゃうくらい遠い話ではあるんだけど、
 「いつまでもあると思うな」は「親と金」だけじゃない。
 大きく構えると「ぼくらの永遠には限りがある」わけだ。 

 太陽ができて、その後に地球ができたのが約46億年前。
 いまから、それと同じくらいの時間が過ぎると、
 いまの太陽も、いまの地球も終わりを迎えている。
 というようなことを、ちょっとでも思って太陽を見ると、
 ちょっとね、信仰みたいな心が湧き上がるんだよなぁ。
 もともと、人間も昔の星の成分でできているというし。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
なんだろう、太陽「推し」みたいな気持ちがあるんだよね。

昨日のコラムを読み逃した方はこちら。

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