糸井重里
・昔むかしです、たぶん28年くらい昔のことです。
ぼくは、じぶんたちの仕事のやり方が、
「船」のように喩えられるなぁと思ったのでした。
かつて、組織(会社)というのは、
ツリー(系統樹)のように、トーナメントの図のように、
重要なてっぺんのある三角形みたいに考えられていました。
でも、その三角形を倒して平らにしてしまったら
上と下じゃなくて、前と後ろになる。
全体として前に進んでいく「船」の形になるんじゃないか。
そんなイメージを持ったんですよね。
「船」って、乗ってる人すべてが重要じゃないですか。
どっちに行くか決めることも大事だし、天候を観ることも、
エンジンを動かすことも、荷物を積むこと下ろすことも、
料理をすること、つまりじゃがいもの皮を剥くことも、
みんなが大事で、互いを守りあわなきゃやっていけない。
船って、「板子一枚下は地獄」と言うけど、
沈んだら海の藻屑になっちゃうわけですからね。
そんなに命がけを強調するわけじゃないけど、
「みんなで同じ船に乗り組んではたらいている」
という考え方はいいなと思ったわけです、陸の上だけど。
それで「乗組員」という言い方をしはじめたのでした。
あんまりこういう言い方は常識的でもないから、
ちょっと気恥ずかしいので気をつけてますが、
言ってもいい場面では、いまも「乗組員」と言ってます。
まぁ、「クルー(crew)」ということですからね。
ふだん、乗組員たちは専門の部門をやっていますが、
なにかことあらば、本職でないことだってやります。
ひとりの「人」として互いの助けになることはやる。
船の上なんだから、そうしないとやっていけないし、
助け合うことは前提として乗り組んでいるのですから。
たぶん、最近になって「ほぼ日」に入ってきた人も、
長くここで乗組員をやっている人も、
そういう気持ちは同じなんじゃないかなと思うんです。
この船に乗り組んでいたら、バイトもたぶん同じです。
もしかしたら、「生活のたのしみ展」って、
お客(乗客)さんも同じ船の上にいるような気がしてます。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
この船は、昨日は台風をしのぎました。たのしく航海中です。
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