糸井重里
・頭ではわかっているようなつもりでいるのだが、
どうも、ほんとうはわからないままでいることがある。
たとえば、いま話題になることが多い
「個人情報」のことに整理がついていない。
住所と氏名、あと電話番号(いまならメールアドレスか)は
重要な「個人情報」である、それはよくわかっている。
悪い人に利用されては困ることはもちろんである。
ただ、ピザだとか出前だとかを配達してもらうとき、
電話も住所も氏名も、顔さえほとんどわかられている。
偽名で注文することもあるかもしれないし、
顔を見せないような受け渡しもあり得るけれど、
だいたいは、わかられていると思うのがふつうだ。
郵便受けに郵便物を入れてくれる人も、
住所と氏名はわかっているから届けてくれるのだ。
言い方はよくないけれど、あなたもわたしも、
「個人情報」は、知人だけに知られているわけじゃない。
そして、あくまでも「リクツ」として言うならば、
知人が「敵」になった場合には、知られたくない人に
「個人情報」が知られているままになる。
さらに「リクツ」を言っていいならば、
企業のセキュリティをどれだけ完全に近づけたとしても、
重大な秘密に近い場面にいる人が、それを漏らせば、
あっというまにその「情報」は守れなくなる。
いかにもドラマ的なたとえ話をするのだけれど、
ほんとうに盗みたい情報があるならば、
その企業や組織にとっていちばん必要な人間になって、
内部に入ってしまうという方法さえもあるだろう。
国家とか防衛のレベルでは、スパイの動きということか。
ぼくは、なるべく「性悪説」をとりたくない人間だが、
リクツとしては、巨大なシステムの失敗に負けないほどの
よくも悪くもの可能性を、人間が持っているのだ。
そう、「よくも悪くも」人間はすばらしく、おそろしい。
その人間を信頼せずに生きていくのも、とてもむつかしい。
◆今日の質問no.089「好きなたまごの食べ方は?」
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ぼくら、一生、人間のことばかり考えて生きていると思う。
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