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ほぼ日手帳

糸井重里

・昨日はめずらしく、いかにも「続きを書くよ」
 という感じで、文章を終わりにした。
 (まずは、昨日書いたのはこんなことだった)
 「文語体」で文を書くという時代が、
 いろいろのこと表現するのには不自由になってきて、
 「話しことば」をとりいれた「言文一致体」という、
 より現実に近づいた表現が出てきた。
 そして、「言文一致体」が一般的になった時代に、
 コピーライターの土屋耕一さんが、
 「言文一緒体」ということを冗談めかして言い出した。
 おそらく、ぼくの推察では、この文体は、
 テレビCMのナレーションの台本からきたものではないか。
 これは、なにより「生活のことば」に近いので、 
 だれにでもとっつきやすく、読みやすいとも言える。
 そして言いたいことも伝えやすくて、理解もされやすい。

 しかし、どっちにしても、これは「文」のスタイルの話だ。
 つまり、文章を書くとか読むということに、
 あんまり興味のない人は、どれも読みたくないのである。
 「ことば」という道具で世界を表すということが、
 なんだか身に合わないという人は、たくさんいるのだ。
 そして、それに、「ことば」で表現できるのは、
 どこまで行っても世界のほんの一部分でなのである。 
 (ここから急転直下)しかし、
 書籍(文章)を読みたくない人も、マンガなら読むし、
 アニメなら見るし、その表現のそうとうな深度まで潜る。
 ページをめくるコマ割りのマンガにも、文字は書いてある。
 かなり長い文章だってあるし、複雑なことも言っている。
 「そっちは読むんだよなぁ」と、不思議な感じもする。
 文語体だ言文一致体だ、書きことばだ話しことばだ、と、
 ことばがどう変化しているかを考えているうちに、
 それはそれとして、マンガが横を通り過ぎているような? 
 ことばで書かれた論文だって、詩だって、「沈黙」だって! 
 マンガで表現できてしまうようなことはあるんじゃないか? 
 個人でやるのは困難でも、映画のようにチームを組むとか
 (いや、文章に対立させるものではないのだが)、
 マンガというものすごい表現の可能性はまだまだ拡がる。
 「純ことば」のままで考えない「方法」を考えてみたい。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
こんなふうなことを、今日も「ことば」で書いてるんだけど。

昨日のコラムを読み逃した方はこちら。

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