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ほぼ日手帳

糸井重里

・うちの犬のブイコちゃんは、歯みがきをいやがらない。
 ほんとはいやなのかもしれないが、我慢ができるのだ。
 だから、毎日、よく歯みがきをしてもらっている。
 みがいているほうのうちの上司も、
 こまめに上手によくみがいている。
 それでも歯石はたまるし、虫歯や歯周病にもなる。
 前のブイヨンも、同じ種類の犬だったのだが、
 歯に関してはもうちょっと強かったかもしれない。
 たしか全身麻酔での歯石とりもしていたが、
 もうちょっと歯みがきは少なかったように思う。
 ブイコのほうが、ずいぶん歯の手入れはいいのだが、
 虫歯や歯周病関係で抜いた歯の数は多い。

 動物は、じぶんでは歯をみがかない。
 せいぜい、固いものを食べるくらいのことだ。
 しかし虫歯にならないかといえば、なるに決まってる。
 虫歯や歯周病の動物もたくさんいると思う。
 昔は、人間の年寄りも、ずいぶん歯が抜けていた。
 マンガなどで、よく入れ歯がネタになっていたが、
 その入れ歯が貴重な時代には、歯は抜けたままのはずだ。

 AIにも訊いてないので、じぶんのカンで書くが、
 恐竜も、他の動物たちもみんな歯がわるかった。
 とまで書くと自信がなくなってきた‥‥。
 歯がなくなるまでは長生きできなかったのだと思う。
 自然界の生きものたちは、ひとつの怪我や、
 ひとつの病気にかかっただけで、
 その後を生きていくのが難しくなるから、
 次の病気や怪我になるまで生き延びられないだろう。
 動けなくなったトラを看病し続ける群れとかなさそうだし。
 次の場所に移動するのに、担いでいくわけにもいかない。
 「一病息災」どころか「一病即死」が自然界だろう。

 考えてみると、歯がわるくなるまで生きている犬は、
 やっぱり人間の社会に参加している犬なんだよな。
 そして、人間のほうも「あっちが痛い、こっちが弱い」と、
 健康のグチを言ってられるのは、生きている証拠で。
 治しながら生きることができるって、すごい文明だよなぁ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
あっちこっち、治したり、だましたりして、わしも元気です。

昨日のコラムを読み逃した方はこちら。

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