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ほぼ日刊イトイ新聞

2025-03-11

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・毎年、3月11日には気仙沼に来ています。
 今年も早めに前日からやってきて、
 あの店この店のおいしいものなど食べはじめています。
 泊まっているホテルはかなり静かです。
 ある時期には、3月11日にはテレビの中継車があったり、
 この日のためにやってきた人たちがロビーを行き交ったり、
 温泉の大浴場にもたくさんのお客さんがいたのですが、
 もう、すっかりふつうの地方都市の日常という感じです。
 これでいいのだ、こういうものなのだとぼくは思います。
 こんな、なんでもなさそうな日常を取り返すために、
 みんなが力を合わせてがんばってきたのだもの。

 いったん東京に出ていた息子や娘たちが、
 あの14年前の震災を機会に気仙沼に戻ってきて、
 仕事をはじめたりお店を継いだりもしてね。
 ボランティアでやってきた学生さんが、
 ここに暮らすようになって若い家族ができていたりね。
 若い人たちと、もともとの気仙沼の人たちとが
 たのしい感じで混ざり合っていて、
 新しい可能性を生み出しているようです。
 「ほぼ日」でも、気仙沼の人たちには、ふだんから
 いろんなことを教えてもらったり協力してもらったり、
 たくさんお世話になっているのですが、
 日本中のいろんな地方が、やりたいことを、
 なんだかちょっと先にやっているような気がしてます。
 きっと、ぼくの知らないさまざまな地方の町でも、
 こんな感じの空気の入れ換えみたいなことは、
 行われているんだろうなぁ。
 そして、いずれは、そういう町どうしが、
 つながりあって大きな変化が起こっていくんだろうな。
 感覚的にしか伝えられないのですが、
 「日本のあちこち、きっとおもしろくなるぞ」と、
 ちょっとした希望を感じてるんですよねー。

・さて、3月11日の今日は、
 このところ恒例になっていますが、唐桑の「つなかん」に。
 そこで女主人であり、おもしろいお姫さまでもある
 一代(いちよ)ちゃんと会って、
 その前の湾で14時46分の黙祷をさせていただく予定です。
 みなさんも、よろしかったら、そのときごいっしょに。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
ぼくは11日以降ももうちょっと気仙沼に滞在する予定です。


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