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ほぼ日手帳

糸井重里

・ふと思ったのだが、いやその、
 いつでもぼくはふと思っているのだが、
 人は「熱い」のことをよく思い過ぎではないだろうか。

 彼は胸に熱いものを持っているとか、熱意を感じたとか、
 その熱さを忘れずにとか、熱い愛ですねとか‥‥。
 どれも、いいでしょう、いいです、いいと思います。
 「よく思いすぎ」の手前まではいいんです。
 「熱くていいね」ぐらいだったら、いいんじゃないか。
 で、よく考えてみたらわかると思うんだけど、
 ある短い期間「熱い」からいいんだけど、
 ひっきりなしに延々と「熱い」のはまずいでしょう。
 燃えたぎってる主人公も、ドラマだったら
 1時間とかでお別れするから「いいね」で済むけど、
 そのまま家までついてきたら、困っちゃうでしょう。
 「おれは燃えてます!」とかって、食卓で言われてもね。

 ごはんを炊くにしても、沸騰するまでは熱くします。
 ふわぁっと吹き上がってきたら、火を最小にして10分間。
 土鍋の流派によっては火を止めたりもしてますね。
 「おれは燃えてます!」みたいなことはしません。
 あとも、そのまま蒸らす時間があって、おひつに取ります。

 ぼくは、あんみつが好きなので、
 カンテンをつくることもよくあるのですが、
 これなんかは、もちろん水に入れて煮ますが、
 冷まさなかったらカンテンになりません。
 さらには常温以下に冷たくして食べますよね。

 仕事とか、人間関係とか、なにかの修練とかも、
 みんなそういうものなんじゃないかと思ったんです。
 「熱い」をピークのままで走ろうとしてはいけない。
 それは、ちょっとよさそうだけど、そういうもんじゃない。
 「熱い」と「温かい」と、「ぬるい」と「冷たい」と、
 いろんな温度のマネジメントが必要なんですよね。
 いやぁ、「ほぼ日マンガ部」の大説明会がよかったので、
 これは「熱すぎ」に気をつけないとな、と思ったのです。
 まぁ、もともとぼくは「熱い」は得意じゃないのですが。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
熱さに気を取られてると、感情に足を取られる、こともある。

昨日のコラムを読み逃した方はこちら。

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