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あやや |
さぁ、つぎはどのドラマにしましょうか。
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森下 |
じゃあ、『秘密』。
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あやや |
『秘密』!
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荒井 |
どうしたんですか。
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あやや |
『秘密』‥‥すいません、
ひとこと、言ってもいいですか。
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荒井 |
ずっと言いまくってるじゃないですか。
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あやや |
この、『秘密』の情報が発表されたとき、
私は思わず、イスを蹴飛ばして立ち上がり、
拳をにぎりしめて、こう叫んでしまいました。
‥‥‥‥違うっっっ!
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森下 |
なにが。
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荒井 |
なにが。
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あやや |
『秘密』は、志田未来ちゃんじゃない!
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森下 |
どういうこと?
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あやや |
あのですね、先に言っておくと、
志田未来ちゃんはなんにも悪くないんです。
演技も上手だし、個人的にも好きです。
ただ、『秘密』といえば、
やっぱり、あの映画じゃないですか。
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荒井 |
小林薫さんと広末涼子さんの。
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あやや |
そうです、そうです、
で、お母さんが岸本加世子さん。
あのとき、主役を演じた広末涼子さんは、
十代で、ものすごく初々しかったけど、
同時に、どきっとするような
色香も持ち合わせていたわけですよ。
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森下 |
あー、わかります。
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あやや |
つまり、大人への階段を、
一、二歩、上がりかけてた。
だからこそ、小林薫さんとのラブシーンが、
ありえるように感じられたんですよ。
もっと言っちゃうと、
たとえば、小林薫さんの立場からすると、
あわよくば、みたいな気持ちだって
なくはなかったかもしれないですよ。
いや、実際にどうだったかとかじゃなくて、
その、あわよくば、みたいなところが
ちらちらするからこそ、あの『秘密』の世界って
ドキドキできたんだと思うんですよ。
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森下 |
うん。そのいやらしさが『秘密』の肝だからね。
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あやや |
そう、そうなんですよ!
ひとつの家の中に父と娘って言いながら、
夫婦が住んでた、男女が住んでた
っていうところに、まさに『秘密』な
独特のエロスがあったわけじゃないですか。
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荒井 |
というときに、志田未来ちゃんだと
どうだろうかっていうことですね。
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あやや |
そうなんです。
もう一回言いますけど、
志田未来ちゃんが悪いわけじゃないです。
ただ、あの独特の世界とは
違ったものになるだろうなあと。
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森下 |
なるほどー。
まあ、映画とは違う『秘密』を
あえて目指すっていう道もあるけど。
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あやや |
はい。それならそれでいいとは思います。
でも、『秘密』だからなあ。
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荒井 |
たとえば、誰なら、納得できます?
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あやや |
うーんとね、武井咲ちゃんとか。
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荒井 |
あーーー。『GOLD』に出てた人。いいですね。
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あやや |
それなら、『秘密』だなあって思う。
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森下 |
あややは、映画の『秘密』が好きなんだね。
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あやや |
‥‥そうですねぇ。うん。そうです。
なんていうんでしょう、あの感じ。
ちょっとした、おぞましさがあるじゃないですか。
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森下 |
おぞましさね(笑)。
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あやや |
どうせ『秘密』をやるなら、
あのいやらしさ、おぞましさを
味わわせてほしいんですよねぇ。
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荒井 |
でも、志田未来ちゃんが
このドラマをきっかけに
ちょっと大人な感じに、
ひとかわむけるかもしれませんよ。
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あやや |
それはわかります。
で、起用した人たちにも
そういう狙いがあるというふうにも
感じられなくはないんです。
でもね、そうだとするとね、
『秘密』の世界をないがしろにしてるというか、
そういう、体当たりの場に、
『秘密』をつかってほしくないなぁと思うんです。
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森下 |
やっぱり、『秘密』が好きなんだね。
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あやや |
そうですね!
そういうことだったんだ、
ドラマの発表を聞いたときに
とにかく「違うぞ」って思ったのは。
いまわかった。
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荒井 |
うん。広末版がよかっただけにね。 |
相棒season9
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テレビ朝日系●毎週水曜日午後9時
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あやや |
ええと、ちょっと落ち着いて、
『相棒season9』行きましょうか。
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森下 |
はい、はい。
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荒井 |
落ち着いて話せますね、『相棒』だと。
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あやや |
ええ、なにしろシリーズ9作目です。
安定感が違います。
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森下 |
もう、ミッチーにも
みんな慣れてる感じですかね。
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荒井 |
慣れましたけど、個人的には、
やっぱり前の組み合わせがいいですね。
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あやや |
ああー、薫ちゃん。
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荒井 |
うん。寺脇康文さん。
及川光博さんもいいんですけど、
両方がクールなキャラクターよりは、
一方に熱い人を置いてもらったほうが
メリハリがあって、おもしろい。
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あやや |
私はミッチーも好きですけどねー。
あの、物語の展開としては
薫ちゃんを戻すっていう可能性も
残されてるんですよね。
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荒井 |
ああ、死んだわけじゃないですからね。
まぁ、でも、しばらくはこのままでしょう。
たとえば、視聴率が下がってきたりしたら
そういうこともあるかもしれませんけど、
そうとう視聴率高いですからね。
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あやや |
だって、うちの父親とか、
ずっと観てますもん、これ。
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森下 |
ファンは多いですよ。
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荒井 |
なんだかんだいって、
17〜20パーセントくらいとってる。
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あやや |
さすが、
9シリーズ目に突入するだけありますね。
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森下 |
でも、すごいですよねー。
9シリーズ目ですよ? 9ですよ?
ずっと同じひとたちでつくるんじゃないにせよ、
たいへんだろうなー。
マンネリとの戦いとまではいわないけど、
続ける難しさってきっとあると思う。
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あやや |
そういう意味では私、
『相棒』は回によって楽しみ方が
変わってきていますね。
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荒井 |
どういうことですか?
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あやや |
その回の脚本家が誰かっていうのに
注目しながら観てるんですよ、最近。
「あ、輿水(泰弘)さんの回だ」とか、
「やった、今週、戸田山(雅司)さんだ」とか。
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荒井 |
マニアですね、もう(笑)。
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森下 |
マニアだー(笑)。
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あやや |
ふふふふ。
輿水さんと戸田山さんの回は楽しみで。
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森下 |
とはいえ、私も、古沢さんの回は
すばらしいと思って観てる。
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あやや |
あ、古沢さん! すばらしいですよね。
古沢良太さん。『キサラギ』の人ですよね。
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荒井 |
あ、そうなんですか。
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森下 |
『外事警察』とか。
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荒井 |
『外事警察』! おもしろかったなぁ。
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森下 |
すごく凝った脚本を
お書きになる方なんです。
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あやや |
そういう、脚本家の方によるテイストの違い、
なんていうところに気づくと、
また、一段と深く楽しめますよね、『相棒』。
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荒井 |
いやぁ、やっぱり、
強いわけですね、『相棒』。
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検事・鬼島平八郎
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テレビ朝日系●毎週金曜日午後9時
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あやや |
つぎ、わたしけっこうこれ、
たのしみなんですよ。
『検事・鬼島平八郎』。
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森下 |
ハマちゃん(?田雅功)だ。
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あやや |
ハマちゃんです。
タレント活動以外のときは
名前の漢字が旧字で表記されるそうです。
9年振りのドラマ主演だそうです。
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森下 |
44歳の新米検事役。
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あやや |
ベタに想像すると、エリート検事たちのなかで
熱血検事としてひたむきにがんばる、みたいな。
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森下 |
うん。せっかくの主演ですから、
ベタなハマちゃんが観たいですね。
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荒井 |
テレ朝だから、良質な検事モノとして
堅く当てる可能性もありますよね。
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森下 |
あと、勝手な予想ですけど、時代を反映させて、
検察内部のエリートによる
「改ざん事件」がテーマになったり
するんじゃないかな(笑)。
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荒井 |
あー(笑)。
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あやや |
フロッピーディスクの中のデータの
日付を変えたりするわけですね(笑)。
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森下 |
で、ハマちゃんが、
「どうしてそんなことを!」って、
組織の決定に反発したり。
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あやや |
うん。やっぱり、ベタで行ってほしいですね。
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森下 |
せっかくハマちゃんが真ん中にいるんだからね。
思いっきり人情ものに振るとか、
もう、恥ずかしがらずにベタでいってほしい。
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荒井 |
テレ朝なら、上手にやるかもしれません。
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森下 |
うん。
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あやや |
あと、言っておきたいこととしては、
事務官役の濱田岳さん、好きです、私。
いろんなところで、ちょこちょこと、
いい脇役を演じてらっしゃいます。
いま、すごくおもしろい役者さんだと思います。
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荒井 |
『太陽と海の教室』の生徒だった人。
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あやや |
ああ、そうです、そうです。
あとですね、このドラマ、
女性陣の配役が、味わい深いです。
内田有紀さんがエリート検事役で、
西山茉希さんが若手検事役。
なんというか、繊細な心臓手術を
真っ黒に日焼けした、
太い腕の坂口憲二さんが行うような
微妙な違和感が‥‥。
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一同 |
(笑)
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あやや |
私、西山茉希さんは、若手検事よりも
あの役をやってほしいな。
よく、刑事モノのドラマで出てくる、
「下の喫茶店のバイトの女の子」。
ナポリタンとか持って来ちゃう子。
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森下 |
ああー(笑)。
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あやや |
で、若手の刑事たちから、
「関係者以外立ち入り禁止だぞ」
とか言われて、ぷんぷん怒ったりするの。
そういうの、やってほしい。
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森下 |
だいぶ、古いタイプの刑事ドラマだね。
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荒井 |
うん。完全に昭和です。
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あやや |
そうなんですぅー、
よく言われるんですよ、
私、基本的な価値観が
コテコテの昭和なんですよ。
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森下 |
そういう歳でもないのになぁ。
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あやや |
小2ぐらいからワイドショー大好きで、
ずっとテレビ観てたからかな。
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荒井 |
小2からワイドショー(笑)! |
霊能力者 小田霧響子の嘘
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テレビ朝日系●毎週日曜日午後11時
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あやや |
続いて、『小田霧響子の嘘』。
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森下 |
意外なドラマを(笑)。
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あやや |
はい。どうしてこれを挙げたかというと、
テレビ朝日の、あれをやってた枠なんですよ。
「おれ、負げね」って言ってたやつ。
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荒井 |
あー、あれですか(笑)。
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森下 |
『女帝 薫子』ですね。
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あやや |
そうそうそう、
『女帝 薫子』をやってた枠で、
あの、これは褒めことばですけど、
すっごい、くだらなくって。
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荒井 |
バカ枠、とでもいうような(笑)。
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あやや |
バカ枠なんです、これ。
まぁ、ことばはよくないですけど、
「バカドラ」っていうか。
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森下 |
あ、でも、あってほしいですよ、
ひとつのクールに、この手のドラマは。
今期、ほかにないじゃないですか。
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あやや |
そうなんですよ。
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荒井 |
なんか、今季のラインナップ、
堅いんですよね。
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森下 |
そうそうそう。
お堅い感じのドラマがそろってて、
ちょっと息が詰まりそうな感じだから。
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あやや |
ドラマって、そんなにマジメなもの
ばっかりじゃなくてもいいですよねぇ。
こういうコミカルなドラマを観て
スカッとするのも醍醐味ですよ。
日曜日の夜に肩の力抜きながら観て、
また明日から仕事がんばろー、みたいな。
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森下 |
いいんじゃないですかね。
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荒井 |
いいんじゃないですか。
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あやや |
あと、おしまいにひとつ、
完全に自分勝手な予想をつけくわえます。
主演の石原さとみさん、
恋してますね、きっと。
なぜなら、キレイになりました!
きっとこの子は、恋してる!
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森下 |
おばちゃんみたいなこと言ってるね。
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荒井 |
昭和のワイドショーで育った子ですからねぇ。
(つづきます) |