まずは、拍手すればいい(4月2日)

「なにもしていない」であるとか、
 「なにもできてない」とか、
 思っている人がものすごくたくさんいます。
 そう思う分量はちがいますけれど、
 ぼくのこころのなかにも、その考えは混じっています。
 
 いま、どうやらそこにある圧倒的な事実が、
 あまりにも巨大であるがゆえに、多くの人間が、
 これまた言いようのない無力感に襲われます。

 「なにもしていない」ような気がするのは、
 なかなかに苦しいものなので、
 その無力感から逃げ出すために、
 人はまた、とにかくわかることをしようとします。
 ぼくのなかにも、そういう傾向はあります。
 
 サイレンのように叫び回るという人もいるだろうし、
 過激なまでに抑制された生活をする人もいる。
 他の人たちを観察して、
 その誤りを探すことに必死になる人もいるでしょう。

 いままでに経験のある世界と、
 いまある現実とがつながっている人たちは、
 なにをすればいいのかが、見えはじめていて、
 もう全力で動き出しているかもしれません。
 自衛隊の人たちだとかは、まさしくそう生きています。
 「なにをしたらいいのか」なんて
 言ってられないんですからね。
 
 まずは、拍手すればいいと思うんです。
 力を発揮する場所を見つけた人たちに向けて。
 支持され応援されることで、勇気づけられる人たちは、
 けっこういっぱいいると思うんです。
 そして、じぶんについては、あせる必要はない。
 短い時間で解決のつくような問題じゃないのですから、
 かならず、「呼ばれる」と思うんだなぁ。
 いま「なにをしたらいいのか」わからない人たち、
 きっと、あなたを必要とすることが見えてきます。
 あせったり叫び回ったりしているくらいなら、
 じっといまの生活を守りながら、「呼ばれる」のを
 待っているのがいいのではないでしょうか。

今日も「ほぼ日」に来てくれて、ありがとうございます。
サイレンが鳴りすぎていると、判断が狂わされますよねー。

「今日のダーリン」より