「自己肯定力」(4月5日)

・超がつくようなベテランの俳優さんや、
 映画監督の方のインタビューをしてきた記者の方が、
 しみじみと言いました。
 「どの人も、自己肯定力が強いんですよね」と。
 長寿で、かくしゃくとして活躍されている人は、
 じぶんを肯定する力が強い‥‥なるほどぉ。
 
 じぶんが生きていることを、肯定的に見ている。
 そういうことなんだろうと思うんです。

 「生きててすみません」という感覚も、
 それはそれで個性としてあるんでしょうけれど、
 息長く活躍してきた人は、そうじゃなかった。
 ということなんでしょうかね。

 そういえば、有名な人でなくても、
 長生きしている人たちって、この、
 「自己肯定力」を感じさせますよねー。
 
 「わたしが生きていること」を「いいっ!」って思う。
 それはそれで、力というものですよね。
 「今日も生きている」ことを、「いいっ!」。
 「明日も生きるみたいだ」ってことを、「いいぞっ!」。
 うん、たしかに、これはいいような気がする。
 いいなぁ、その「自己肯定力」って、と思ったんです。

 そしたら、まだ続きがありました。
 「昔、ポール・ニューマンの取材をしたことがあって。
 65歳になった直後の彼に、
 その年齢になった心境を訊いたんです。
 そしたら『ベティ・デイビスがこう言ったことがある。
 <年をとるのは、弱虫にはできない>最高の言葉だね』」
 おおっと、「自己肯定力」と「弱虫にはできない」は、
 ちがうことを言ってるようにも思えるのですが、
 同じことのようにも思えるんです。
 
 うん。そうだ。前に、じぶんでも言ったことがある。
 「じぶんを、ばかにしちゃいけない」んだった。
 他人もだけれど、じぶんをなめちゃぁだめですよね。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
案外ね、じぶんって、おだてりゃ木にも登るものでして。

「今日のダーリン」より