元気で仕事してれば、何かの役には立つ。(4月6日)

・ぼくの頭の毛をカットしてくれてる美容師さんが、
 被災地に行きたいと言ってました。
 髪を切ったり、シャンプーしたりしたいって。
 「みんな、もうひと月近く経ってるでしょう。
  よろこぶと思んですよね」
 それは、よろこぶと思う。
 いいこと考えたね、団体で行くの?
 「いえ、友だちと二人で。
  いろいろ問い合わせたんですけど、
  受け入れてくれるところがないんで、
  もう行っちゃおうかと思ってるんです」
 なるほどなぁ、手に職があるっていいなぁ。

・そんなこと思っていて、仙台の街を歩いてたんです。
 人々の表情や、にぎわいや、いままでと同じ
 …に見えるんですけど、東京とは何かがちがう。
 お弁当を売ってるワゴンが、やたらと多いんです。
 たぶん都市ガスの復旧がまだなので、
 家で食事をつくるのがむつかしいので、
 たくさんの人にお弁当が必要なんでしょうね。
 そして、「シャンプー!」と手書きのポスター。
 ガスが止まってるので、
 お湯に不自由してるから、お客さん多いみたいです。
 ファストフードのチェーン店なども、
 昨日になって一店舗だけ営業開始したとか、
 開店している書店さんでも、
 まだ棚から飛び出たままの本が
 ずいぶんたくさん残ってるようだし、
 よくよく見ると、まだ傷口が赤いんですよね。

・いやぁ、厳しさにグラデーションはあるけれど、
 みんな相当の痛手を負ってるんだと思います。
 それでも、ぼくの会った仙台の人たちは、
 もっとつらいはずの海側の人たちの力になれてない、
 と、口惜しそうに語っていました。
 何度も言ってるものだから、
 へんに聞こえるかもしれないけど、
 ぼくの生活の場所である「東京は、元気です」。
 たいしたことないものなりに、
 元気で仕事してれば、何かの役には立つでしょう。

今日も「ほぼ日」に来てくれて、ありがとうございます。
笑顔ってさ、つくれないときにはつくれないんだよねー。

「今日のダーリン」より