豆腐は豆腐屋。(4月7日)

・毎日、あの日からは、震災のことばかり話してますね。
 話すことがあるから話しているわけだから、
 それはそれで自然なことですが、
 同時に誰でもが、震災に関係なさそうなことも、
 たくさんやっているし、考えているはずです。

 豆腐屋さんは、豆腐をつくっています。
 こういうことになっちゃって、
 この先、豆腐はどうなるんだろうなんてことも考えつつ、
 おそらく豆腐をつくっていると思うんです。
 小学校一年生の担任になった先生は、
 ぴよぴよひよこみたいな新入生たちの名簿など見ながら、
 これから過ごす一年について考えているでしょう。
 そういうものだと思います。

 被災地に飛んでいく自衛隊の方々や、お医者さんたち、
 経験を積んだボランティアの人たちの他に、
 現場の「助けの支え」になるおおぜいがいます。
 おそらく、今回のことで、
 現地で働く人びとのネットワークも、
 いままで以上に考えられ練られていくことと思います。
 行政でない人たちの網の目づくりのなかに、
 ほんとに実効性のあるヒントが生まれつつあるようです。
 こうした動きと、「ほぼ日」の結び目も、
 いくつかできそうです。
 
・そして、それはそれとして、豆腐は豆腐屋。
 ぼくらは仕事をして生きていくことをやめられません。
 「世の中がお坊さんばかりになったら、
  誰がスクーターをつくるんだっちゅうの」です。
 ボランティアのはじっこに連なるにしても、
 寄付をがんばるにしても、
 じぶんの足でしっかり立ててないとね。
 だから、これまで以上に、仕事のことは考えています。
 ドラッカーで言えば、「顧客の創造」についてですよね。
 わたしたちは、何によって社会に憶えられるか、です。
 「あんたらがいて、よかったわ」と言われるチームに、
 ますますなっていきたいものです。
 ぼくら「たいしたことないもの」なりに、
 働く気は、いままで以上に湧いていますからねーっ。
 
今日も「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
「怖いお化けは、見つめると正体を現わすんだ」とかね。 

「今日のダーリン」より