荒地から芽吹く(4月27日)

・津波に襲われた沿岸沿いを、
 クルマで走っていると、
 どうしたらいいのかわからない景色が、
 延々と続くのでくらくらしてくるのだそうです。
 これは、ぼくが会った、その場を「訪れた人」の話です。

 感情が処理しきれないほどの大量な瓦礫を、
 実際にこれから、なんとかしていかなければならない。
 それが、現地にいる人たちの考えることで、
 訪れるものと、迎えるもののちがいには、
 これまた大変なものがあります。
 
 しかし、この圧倒的な問題の前から、
 逃げることなく立ち上がり、
 歩みはじめている人たちのことが、
 伝えられはじめています。
 その主役は、もちろん現地の人たちです。
 嘆いたり、叫んだりしているのではなく、
 微笑みさえ浮かべながら前に進み出しています。
 
 「じぶんのリーダー」はじぶんなのだ、と、
 あの日から、よくぼくは言ってきたのですが、
 泣き言よりも希望を語るリーダーたちが、
 荒れ地のなかから、にょきにょきと芽を出しています。

 ‥‥たとえば、どこに?
 「いい質問ですね」はい、たとえば、ここに。

 旅人の目には真っ暗闇に見えるような場所にいても、
 かすかな光を見つけて歩きだしている人たちがいます。
 誰に言われなくても、いい状況であるはずがない。
 そんなことは、知ってるんです。
 でも、歩きだせるということを、
 その場にいる人たちが見せてくれています。
 
 あんまりサイズの大きいことを言いたくないのですが、
 ぼくらは、震災から立ち上がる人たちのすることが、
 日本の人たちが学ぶべきモデルだと思っています。
 ゼロからでも、マイナスからでも出発できる。
 そういうことが、「ほらね」と笑いながら、
 未来の人たちに見せてやりたいですねー。
 
今日も「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
「光の射すほうへ」を、ぼくらは続けていこうと思います。

「今日のダーリン」より