国民総幸福量の国(5月18日)

・ブータンからです。
 ホテルの図書室がネットにつながるので、
 そこで夜中にひとりでこれを書いています。
 夜には雨が降っていて、緑がきれいに洗われてます。
 たしか標高2300メートルだとかの高地なので、
 そういえば空気がうすいような気がします。
 九州くらいの広さの王国に、島根県の人口くらいの人々。
 舗装された、いちばんいい道を走っていて、
 クルマがブレーキかけて避けているのは、牛でした。
 
・山の上のお寺で、お祭りがあるということで、
 朝に到着した空港から直行で見に行きました。
 笑っちゃうくらいの悪路です。
 絶叫アトラクションとして料金取れるくらいの道です。
 お寺の中庭のようなところで、
 次々に踊りがくりひろげられました。
 けっこうたくさんの人が、晴れ着でやってきてます。

 踊りをやっているところに、道化役のように思える
 「アツァラ」という異形の仮面の人たちがじゃまします。
 あまりにもあっけらかんと、陽根を振り回します。
 この木製と思われるシンボルは、
 ブータンではほんとによく目にするらしいです。
 明日からは、たくさんのそれを見ることでしょう。
 
・まだ、この王国に着いて、まる一日も経ってないのに、
 なんだかずいぶん馴れてきています。
 日本人と顔が似ているからなのかなぁ。
 「どてら」のような民族衣装を着ているせいかなぁ。

 ちなみに、国民総幸福量(GNH)の国だから、
 みんながにこにこしてると思ったらまちがいです。
 ぼくの見たところでは、あんまり笑ってない。
 いや、機嫌がわるいというのではないと思うけど、
 「表情的に無口」というふうな感じです。
 他の人に笑いかけて関係を良好にしよう、
 というコミュニケーションをする意味が、
 ないのかもしれませんね。
 そのあたりのことも、明日以後、陽根とともに、
 わたくしの観察の対象となるでありましょう。
 
今日も「ほぼ日」に来てくれて、ありがとうございます。
ブータンの坊さん、日本のこと、祈ってくれています。

「今日のダーリン」より