「忘れちゃいけない」ところは「忘れない」よ(8月12日)

・「ほぼ日」が支店をつくるのか、
 それとも新しく別の会社をつくるのかわかりませんが、
 気仙沼に、デザインの会社をつくろうとしています。
 そのへんの話は、いま発売中の雑誌
 『Casa BRUTUS ニッポン再生の参考書。』を、
 読んでみてください。
 
・この特集のための取材をされてみて、
 それが編集されたものを読んでみて、
 あらためてわかったこともありました。
 それは、ぼくだけの考え方なのかもしれないですが。
 「忘れる」ことを怖れないようにしよう、ということ。
 ぼくは、人の気持ちは移ろいやすいもので、
 あれほど大きな痛みがあったけれど、
 よいにつけわるいにつけ、人間のこころというものは、
 徐々に忘れてしまうのだろうと、想像していたのです。
 春のころに会った被災地の人も、
 「忘れられてしまうのが、いちばん怖い」と、
 真剣に言っていました。

 でも、そんなことはないと思えてきた。
 そんなに簡単に「忘れる」ものじゃないです。
 じぶんがどれほど薄情だとしても、
 「忘れる」までには、ずいぶん苦労がありそうですよ。
 
 だから、「忘れないようにしよう」などと、
 気にしすぎないようにしようと思いました。
 「忘れてもいい」部分は、忘れます。
 そして、「忘れちゃいけない」ところは、
 「忘れられるもんじゃない」と、
 じぶんたちを信じていいんじゃないかと思えてきました。
 たぶん、ぼくや、ぼくらのこれからの活動は、
 短距離走のようなものではないんじゃないかな。
 長距離の、しかも障害物の多い、ゲーム性の高い活動。
 そういうものになるような気がします。

・力のあるメンバーを集めて、
 たいしたことないことを、爽快にやっていきます。
 ぼくのあたまのなかでは、構想が見えてきています。
 ゆったり見ていてくださいね。

今日も「ほぼ日」に来てくれて、ありがとうございます。
インターネットって、なかなか使い勝手がいいものでっす。

「今日のダーリン」より