震災からの日本に、
いろいろたくさん学びたいんだ(5月20日)


・ブータンの3日目は、また別の味でした。
 こんな道、クルマが通れるわけはないでしょう、
 というような畦道をよれよれくねくね走って、
 ある農家を訪れたのでした。

 ブータンの農業に大きな貢献をした日本人がいます。
 西岡京治さんという方で、
 いまはもう故人になっておられるのですが、
 「ブータン農業の父」と呼ばれて、
 ほんとうに国をあげての尊敬をされているんですね。
 その西岡さんに指導された農家の方が、
 いまでも元気で働いています。
 「西岡さんに、直接指導されたおかげだ」という
 70歳を過ぎたおじいさんは、
 地元でも有名な成功した農家の主です。
 
 家のなかを案内してくれたり、
 子どもたちや孫たちを紹介してくれたり、
 たくさんの昔ばなしや、日本へのお見舞いのことば、
 郷土料理の説明など、ほんとにうれしそうに、
 ぼくらに語ってくれました。
 指導してくれた西岡さんのおかげもあるらしく、
 とにかく日本のことが、ほんとうに好きらしいんです。
 ぼくらは、ブータンになにかのヒントを
 見つけに行ったような気持ちでしたが、
 おじいさんは、震災からの日本に、
 いろいろたくさん学びたいんだと言っていました。
 そうだなぁ、そう言われると、そうだと思いますよね。
 とても詳しく、いまの日本のことを知っていて、
 とても真剣に、日本の人たちがどうしていくのかを
 見つめている人が、世界中にたくさんいるんです。
 いまの日本の人たちが、
 「信じあって、力をあわせて」いるように、
 見えているらしいんです。
 ほんとうに、そうでなきゃいけないですよね。

・それはそうとなんですが、
 ブータンのある時代の文化習俗とでも申しましょうか、
 即席通い婚というか、夜ばいというか、
 そのような文化についても、おじいさん、
 とても熱心に語ってくれたのでありました。

今日も「ほぼ日」に来てくれて、ありがとうございます。
ロケット生中継、『奇跡』試写、野球、ブータンなどなど。

「今日のダーリン」より