「でも、いいこともいっぱいあるんだよ」(10月12日)

・だんだん冬が近づいてくると、
 今年とか来年とか、そういうことを考えます。
 ぼくらの場合は、手帳カレンダーに関わっているので、
 なおさら「この一年」ということを
 考えるくせがついているみたいです。

 今年って、誰もが思っているのだろうけれど、
 ほんとうにすごい年になってしまいました。
 どこの誰にも、その人なりになにかあったと思うのです。
 苦しみや悲しみの深さは、まちまちでしょうが、
 なにかしらの傷は、みんな負っているし、
 じぶんのできることはなんだろう、と、
 みんなが探していると思います。
 
 「3月11日がなかったら、
 今年のいまごろがどうなっていただろう」
 なんて想像は、もう、まったくできなくなりました。

 今年、強くなったひともずいぶん見ました。
 この今年だから知り合ったすばらしい人にも会って、
 たくさん感心させられました。
 本気で、じぶんをもっと働かせようと思えたのも、
 なんだか、ずいぶんひさしぶりの感覚です。
 こういうこの年だからこそ、考えたこと、
 そして得たことも、少しずつ増えています。
 「でも、いいこともいっぱいあるんだよ」と、
 気仙沼の人たちの口から何度も聞きました。
 ぼくは、その人たちの影響を受けているのかもしれない。
 
 「でも、いいこともいっぱいあるんだよ」のあとに、
 いちばん語られるのは、人とのつながり、
 人との出合い、人との歩み、人との時間についてです。
 「人はいいなぁ」って、ずいぶん思ったんですね。
 その逆のことについては、みんな語らないんですが、
 実際に、「人はいいなぁ」と何度も思ったんでしょうね。

 生ぬるいところにおりますけれど、
 ぼくも、そう思う機会がいっぱいありました。
 そのうれしさと共に、できることをしていきたい。
 「気仙沼のほぼ日」、開設準備は進んでおります。

今日も「ほぼ日」に来てくれて、ありがとうございます。
どれでも「もうひとつ」読んでみてください、よろしく。

「今日のダーリン」より